パリ五月革命 私論

本サイトは西川長夫(立命館大学名誉教授)・祐子(元京都文教大学教授)夫妻が収集したフランスの「68年5月」にかんする一次資料と、両氏が当時のフランスで撮影された写真を公開するものです。

お二人は当時、日本人留学生としてパリに滞在し、いわゆる「5月革命」を最初から最後まで見届けられたばかりか、街頭で配布されるビラや次々に発行される機関紙誌類を丹念に収集され、数々の「現場」に足を運んで撮影した写真とともに、日本に持ち帰られました。その体験については、夫君の長夫氏が2011年に刊行された『パリ五月革命 私論』(平凡社新書)に詳細に語られています。

京都大学人文科学研究所では、人文研アカデミーシンポジウム「日本から見た68年5月」(2012年2月5日)を、長夫氏を招いて開催したことを機縁に、夫妻からそれらの資料を寄贈いただきました。両氏の許諾を得たうえで、同研究所の共同研究班「ヨーロッパ現代思想と政治」ならびに科研費共同研究「現代思想と政治」の事業として、ここにそれらを公開するものです。

フランスでは「68年5月」40周年を記念して、2008年に国立図書館でビラ類の展覧会が行われ、その一部は同図書館のWebサイトで現在も公開されています。同サイトがいわば芸術・表現革命としての「5月」に焦点を当て、当時の風刺画や機関紙誌類のビジュアル構成を今日に伝えようとしているのに対し、私たちは「5月革命」を思想史上の事件として再現することを目指し、資料の紙誌面をそのまま「読める」ようにしました。

フランス語原文のままでの公開となりますが、世界的レベルでの「68年」研究に直接資するものと信じます。各資料には簡単な日本語解説を付しておりますので、西川長夫氏の上記著書と合わせ読むことにより、「68年5月」を日本から考え直す契機にしていただければと存じます。

2013年夏
人文研アカデミーシンポジウム「日本から見た68年5月」