中国在家の教理と経典

班長 船山 徹

四〜七世紀頃の中国(劉宋・南斉・梁・陳・隋・唐)で仏教は様々な発展を遂げた。出家僧だけでなく文人等の在家信者が果たした役割も大きかった。出家者が学んだ経典や論書は現在の大蔵経の全貌を理解することから知られるが,一方,在家者の仏教知識がどの程度のものだったか,それは出家者の理解と相違する点があったのか,在家者に共通の得手不得手があったか等の問いに答えることは予想以上に難しく,現在に至るまで確かな答えは得られていない。人文研ではかつて六朝隋唐時代の知識人や庶民の仏教を知るため,『肇論』『弘明集』等の会読が行われた。本研究班はその流れを継承しながら,多くの在家仏教徒の著作を収める道宣『広弘明集』(7世紀)を主な素材として,中国在家仏教の実態解明を目ざす。

班員
稲本泰生、稲葉 穣、ウィッテルン・クリスティアン、古勝隆一、中西竜也、趙 晟佑