近代京都と文化

班長 高木 博志

本研究では、近代の京都と文化を対象としつつ相対化する。今日、京都は、年間5500万人以上が訪れる世界でもっとも人気のある観光都市である。「日本文化を創り出してきた京都」、「おもてなしの文化」、雅な貴族文化などとバラ色に表象され、文化庁移転のうたい文句にもなる。こうした京都イメージは、近現代を通じて、政治的、社会的に創り出された側面が強い。それに対して近代京都の文化について、民衆の生活・花街の性・差別の問題といった周縁性や、文化をめぐる政治や地域社会とのかかわりなどを含み込んだものとして捉えなおしてゆきたい。そのために、政治・教育・社会運動・経済・社会・宗教・思想や美術・映画・文学・建築・造園など多様な歴史学の分野を専攻する研究者が、自分の専門領域から一歩踏み出して、近代京都の「文化」を広くとらえ直して考えてゆきたい。今まで行った、「近代京都研究」(2003~2005)「近代古都研究」(2006~10年)「近代天皇制と社会」(2011~16年)の共同研究を踏まえ、地域をめぐる学際的で批判的な共同研究会を展開したい。

班員
高木博志、岩城卓二、永田知之、イリナ・ホルカ、池田さなえ、高階絵里加