前近代ユーラシアにおけるフロンティアとトランス・フロンティア

班長 稲葉 穣 

前近代において、ユーラシア大陸はいくつかの歴史世界、文化世界に分かれつつも、頻繁かつ密接に交流がなされてきた。これらの歴史世界/文化世界の境界領域をフロンティアと呼ぶならば、フロンティアを超える=トランス・フロンティアな活動と事象、言い換えるならフロンティアの向こう側からヒト、モノ、思想をもたらした活動こそが、それぞれの文化・歴史にダイナミズムを与えてきたことに疑いはない。しかし、ではなぜこれらの諸世界は分かたれ、異なるものとして成立し存続してきたのか、という問いに答えることは全く容易ではない。それはおそらく人間の文化や社会の根源的なあり方と深く関わり合いをもつ問題だからである。本研究班では前近代のユーラシアにおけるフロンティアに焦点をあて、その空間によって複数の文化・社会が隔てられたのはなぜか、さらに隔てられた地域間を結ぶような活動は、具体的にいかにして可能になったのかという問題を、文献、考古、言語、美術、人類学等、多角的かつ実証的な視点から考察し、フロンティアという空間をどう理解すべきかを考えたい。

班員
船山徹、稲本泰生、中西竜也、和田郁子