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■ 学位 |
文芸復興・「地理上の発見」・宗教改革を端緒としてフランス革命にいたる近世ヨーロッパにおいて、歴史叙述は法学とともに政治思想の主要な担い手であった。この研究は、その近世ヨーロッパの歴史叙述について、政治的言説としての系譜と特質を明らかにすることを目標とする。特に主要な研究対象となるのは、十八世紀フランス・イギリス・ドイツで広く叙述された「哲学的歴史」における「普遍史/世界史」像の再編成と、国民国家分立によって特徴づけられる近代世界の政治システムの素描である。文献学的考証を介して、「哲学的歴史」の諸々のテクストを、十八世紀のヨーロッパ国際政治史上の変動のなかで誕生した近世ヨーロッパの歴史叙述の一つの到達点として理解するのみならず、それらのテクストのヨーロッパ内外での受容の歴史を検討することによって、「哲学的歴史」の担った政治理念が「いまだ決して過ぎ去ってはいない時代」である近代の世界の形成にどのように関わったのかを探ってみたい。