京大最後の一ヶ月+大学院生募集 2012.3.10
大阪大学への移転まで一ヶ月を切りました。研究室では引越しの準備でどたばたです。私もたくさんの資料や書籍を持っているので、整理に忙殺されています。
大阪大学に移動した後は、当然ですがそちらで大学院生を募集します。医学系研究科修士課程医科学専攻の入学試験は8月に、博士課程医科学専攻の試験は10月と1月に行われるはずです(詳細は研究科のHPで確認してください)。ゲノム研究や幹細胞を中心とした医学・生命科学研究のELSIや公共政策の課題に取り組んでみたいという方を歓迎します。
着任後できるだけ早く私のメールアドレスをHPに掲載しますが、当面(4月以降数ヶ月)は京大の人文研(kato@zinbunで始まるアドレスです)のアドレスでもメールが届きますので、研究室を訪問して話を聞いてみたいという方は遠慮なく連絡をください(4月以降に)。
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職員募集のお知らせ 2012.1.26
少々大きなお知らせです。研究室が4月から大阪大学に移ることになりました。大学院医学系研究科の中の現在は「医の倫理学」となっている教室に移ります(研究室名は「政策」という言葉を取り入れた新しいものに変更の予定です)。
研究内容の詳細は移ってからウェブサイトに書きますが、現在、そちらで働いてくださる事務補佐員と研究補助員(募集には技術補佐員と出ています)を募集しています。事務補佐員は私の毎日の事務的仕事を助けてくださる方で、技術補佐員のほうはゲノムELSIユニットの仕事を助けてくださる方を求めています。ゲノムELSIユニットでは、資料収集や整理、研究会の企画・運営など研究内容をある程度理解したうえでの研究補助をしていただきます(理系<学部は問わない>の学部卒や修士卒程度の方をイメージしています)。
私たちの研究室には理系・文系様々な分野出身の方が集まり、毎日が異分野交流の場となっています。そうした環境に興味をもたれる方に応募していただければと考えています。不明の点があれば、メールで問い合わせてもらっても結構です。募集の情報は、大阪大学の本部のウェブサイトの中の「非常勤職員採用情報」というところに出ています。
(補佐員募集は締め切りました。2月10日)
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東京入試説明会が開催されます(5月22日) 2011.5.20
再び入試説明会の話題です。明後日22日午後、京大の東京オフィス(品川)で開催される生命科学研究科の説明会に参加します。ポスターには私の名前は出ていなかったのですが、都合がついたので参加することにしました。スライドを使った説明がすべて終了した後に、ラウンジで個別に話をする時間もとりますので、興味がある人は是非参加してください。バイオサイエンスの研究は猛烈な勢いで進んでおり、社会的課題もダイナミックに変化しています。科学研究の変化を自らの目で追いかけながら、社会的課題・倫理的課題、そして研究ポリシーに関する研究をやってみたい方、大いに歓迎します。
昨日は神経内科の研究者・臨床医が集まる「日本神経学会」の年会で、パーソナルゲノム研究の倫理的課題について話をしてきました(オーガナイザーの1人は東大の辻省次教授)。質問が多数出て、やはりシークエンス技術の拡がりとともに倫理的課題についても関心が高まっていると感じました。ゲノムELSIユニットもがんばらねばなりません。
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2011年度の初めに当たって 2011.4.1
新しい年度が始まりました。
まずは3月11日の大震災において、被害を受けられた皆様に心からお見舞いを申し上げます。この大変な状況に、日本全体で立ち向かい、できるだけ早く復興できることを願うものです。
関西にいる私たちがなすべきことは、具体的、直接的な支援を行うことに加えて、それぞれがもともと携わっている活動をできる限り力強く進め、復興に向けて貢献すると同時に、日本が十分なエネルギーを持っていることを世界に示すことだと考えています。その意味で、ここ京都での研究と教育に一層、力を入れていこうという気持ちでいます。
私たちの研究室では、昨年度から、これまでの実践的科学コミュニケーション活動の比重を小さくし、ライフサイエンス研究の倫理的・社会的課題やガバナンスの課題に力を入れると表明してきました。昨年からスタートした「ゲノムELSIユニット」の活動や、それ以前から携わってきた再生医療の実現化プロジェクトの活動は、そうした流れの中で取り組んでいるものです。これらは、大きな意味では、いわゆる科学政策にも関連した研究でもあります。
ライフサイエンスの研究ポリシーを作る際には、専門家だけで決めるのではなく、広く社会の様々な構成員の意見や考えを取り込むことも重要です。そのためのコミュニケーション活動はやはり重要で、そうした新しい観点から科学コミュニケーションの分野に取り組んでいきます。
4日(月)には入試説明会が開催されます。上記で述べた分野に興味を持つ学生さんは、是非、気軽に研究室を訪問してください。ウェブサイトには十分紹介できていない、現在の研究内容について説明する予定です。
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生命科学研究科・入試説明会 2009.4.1
新しい年度が始まりました。
新メンバーも少しずつスタートし、気分を新たにした生活が始まりました(メンバーリストの更新は4月中にと思っています)。
ところで、明後日は入試説明会。新しい年度が始まると同時に、もう一つ次の年度に向けての説明会です。
毎年、来てくださった学生さん1人ひとりと個別にしっかり話をしていますので、少しでも興味がある人は気軽に研究室に来てもらえればと思います。5分間のプレゼンでは説明しきれない内容を話します。
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半年ぶりのひとこと 2009.2.16
気づいたら2009年の2月。そろそろいろいろな人に「最近『ひとこと』更新してませんね」と言われ始めました。
新年の挨拶を載せそこないましたが、今年の(僕自身の)目標は「少しでも落ち着いて仕事をすること」かな、と思っています。
どうしてもいろいろなことが重なり、積み上がる傾向にあるのをなんとか整理したいです。
今週末は修士論文の発表会です。M2の2人がしっかり準備してくれるのを期待しています。
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7月の講義と猛暑の8月 2008.8.12
京都は毎日、体温並みの猛暑です。
7月には、東大から、科学コミュニケーションの横山広美さん、生命倫理の堂囿俊彦さんに講師としてお越しいただいて大学院の講義を無事終えました。お二人とも猛烈なスケジュールの中、はるばる京都まで来ていただき、とても感謝しています。年齢が近いことに加え、自らの方向性をはっきりと持って仕事をされているお二人のお話には、多くの学生たちが刺激を受けたようです。
8月に入ってからは、山のように溜まった仕事を一つ一つ進めています。夏の暑さは大変苦手なのですが、8月末にはゲノム特定の班会議などもあり気合を抜くわけにはいかない生活です。
小学5年と2年、そして2歳11ヶ月という3人の子供たちの夏休みもちょうど半分が終わりました。3人の子供が毎日家に居るというのはすごいことですね。世のお母さん・お父さんたち、バテないで頑張りましょう。
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生命科学の倫理とガバナンス 2008.7.12
ごく簡単に最近の状況の報告です。
6月は2度海外に出ました。最初はフィラデルフィアでの国際幹細胞学会(ISSCR)。次は英国オックスフォードでのバイオバンクのガバナンスに関する国際会議。前者では研究員の川上君と共同でポスター発表を、後者では口頭発表をしてきました。
時間がないので細かい話は略しますが、どちらの会においても、諸外国の政府機関や大学に多数の専門家が配置されていて、バイオサイエンスの倫理とガバナンスについての調査や研究が活発に行われていることがわかりました。それに比べて日本ではしっかりとした研究拠点がほとんどないのは一体どういうことかと、またもやフラストレーションを感じて帰ってきたというのが正直なところです。オックスフォードの学会にはアフリカの数ヶ国を含む30カ国からの参加者が集まっていました。
科学技術に巨額の投資をしているこの国が、科学政策や倫理、ガバナンスの検討に必要な人材の育成と配置(研究費の投下ではない)に本気で取り組むのはいったいいつのことなのでしょうか。とりわけダイナミックに研究が進んでいるライフサイエンス分野の(ガバナンスを扱う)人材不足は本当に深刻です。
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ゲノム研究の社会的・倫理的課題に関する国際会議 2008.5.8
4月27日から5月6日まで全部で10日間、カナダと米国での2つの国際会議に出席するため海外に出てきました。
4月28日−30日 カルガリーにて(主催:Genome Canada)
“International GE3LS Symposium 2008 Navigating the Changing Landscape”
(カナダでは、ELSIではなく、GE3LSと言います。ジェルズと発音、3は肩文字)
5月1日−3日 クリーブランドにて(主催:NIHのNHGRI)
“Translating ELSI : Ethical, Legal and Social Implications of Genomics”
いずれの会議も、それぞれの国でゲノム研究の倫理的・法的・社会的課題に関する研究と活動を行っている専門家が一同に会するという大きなものでした。さらに1割〜2割程度の海外からの出席者も加わって、参加者数はいずれも200人近かったのではないでしょうか。
僕はカナダでは海外から招かれた講演者の一人として、そしてアメリカでも口頭発表で、日本のELSIの活動の歴史と現状(伊東さんの研究、ゲノムひろば、写真展などを含む)を報告してきました。(東島さんも米国の会議で口頭発表。とてもしっかりとした発表でした。)
どちらの会議にも共通した話題として、バイオバンクの体制構築や運営にどのように市民(試料提供者)の意見を取り入れるか、消費者に直接販売される遺伝子検査(Direct-to-Consumer genetic testingと言う)をどのように規制するか、といったゲノム研究の進展に伴う新しい課題が大きく取り上げられていました。さらには、科学的・医学的研究と社会面の研究をいかに融合させるか、研究の成果をどのように政策に反映されるかといった、以前から議論されている話題も取り上げられており、この分野の長い歴史と層の厚さを持つ両国でもいまだに苦労している課題なのだということがよくわかりました。
2つの国での会議に出て印象的だったのは、カナダのほうが世界の状況をしっかりと話題にしており、米国は「国際会議」と名づけているけれども米国内の話題が中心になっていることでした。カナダの会議では一日目の午後に、インド、シンガポール、マレーシア、英国、中国、オランダ、日本、南アフリカ、フランス、オーストラリア、米国という11の国から一人ずつが各国の状況について報告するというセッションが設けられ、一挙に世界の状況がわかりました。
一方、米国での会議では、「race」「health insurence」といった米国が抱える問題が何度も出てくるのに少々驚いたというのが正直なところです。しかし、メディア研究(肥満遺伝子がどのようにメディアで描かれているか他)、意識調査やフォーカスグループインタビューなどを通したpublic engagementの研究などは、データの解析の仕方にしても、プレゼンテーションにしてもレベルが高く、自分たちはまだまだ努力が必要だという刺激(とプレッシャー)を与えてもらいました。
どちらの会議でも、芸術と科学研究の融合、科学教育といった話題も取り上げられており、科学コミュニケーション(科学の表現や教育を含む)とELSIが自然につながっていることを再確認できたのもうれしいことでした。
残念ながら日本からの参加者は、カナダでは僕一人、アメリカでも数名でした。法学や社会学、文化人類学といった分野出身の人々が当たり前のように会議に参加し、発表しているのを見て、日本でもそうした人たちがもっと増えてほしいと思いました。(うちの研究室でも論文入試で文科系から受験できるので、是非増えてほしいです)
長くなったので、この辺で。
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新年度が始まりました 2008.4.19
毎年のことで、年度末と年度初めは、どたばたのうちに過ぎていきました。とにかく5つの修士論文がすべて合格し、皆が無事卒業できたことが最もうれしいことでした。
5人の修士課程修了生のうち、4人は社会人となり就職し、標葉君は博士課程に進学です。就職した皆が無事勤めているか大変気になりますが、よけいな心配はせずにいずれ近況を知らせてくれるのを待つことにします。
4月から新人が4人加わりました。修士1年は2名。二人とも実に元気な女性ですが、一緒になるともっとパワフルな感じで、研究室がとても明るくなりそうです。
博士課程編入生の中川さんは、阪大から来てくれました(というより、飛び込んできた、というほうが正しいかもしれません)。以前から阪大のコミュニケーションデザインセンター(CSCD)で「サイエンスショップ」の仕事をしてきた方で、川上君、松田君、標葉君たちとも一緒になって、CSCDの平川秀幸さんと昨年度から始めたRISTEXのプロジェクトを支えてくれることを期待しています。
研究員の水町さんは農学研究科の博士課程を終えて、iCeMSの科学コミュニケーションのスタッフとして来て下さいました。iCeMSの研究者たちが街に出て行う(大学の外に出ることに意味があります)「iCeMSカフェ」を定期的に実施するために、加納君と一緒に仕事をしてもらいます。そう5月10日には第2回のカフェを開催します。是非、多くの人に参加してもらいたいです。
新しい顔ぶれで、人と人との相互作用(!)も新しくなります。是非、面白いことが多数、起こることを期待しています。僕自身は、人文研を含む自分自身の仕事、学生たちと一緒の仕事、そして、その他のいろいろな仕事をバランスよく進められるように努力していきたいと思っています。 |
修士論文 終了 2008.2.7
5人分の修士論文(修士2年生4人と元越君)は無事仕上がって、審査に回りました。最後の追い込みは相当大変でしたが、とにかく間に合ったのでホッとしています。
生命科学研究科の実験科学者である教員の皆さん(審査委員)が、生命文化学の非実験系の仕事にどんな意見と評価を下さるかを楽しみにすることにします。
僕自身は、いつものことですが山のようにたまってしまった仕事に取り掛かります。 |
細菌ゲノム合成成功のニュースと幹細胞国際シンポジウム 2008.1.29
米国のベンター博士たちが細菌の全ゲノムの人工合成に成功したという記事が多くの新聞の一面に出ました。私も日経新聞や時事通信にコメントを求められたおかげで原著論文をしっかり読みました。
今回、合成されたのはゲノムだけで、細菌として機能したわけではありません。しかし、確実に複雑な生命体の再構成に向けた研究は進んでいます。iPS細胞や再生医学だけでなく、ゲノム科学、合成生物学についての社会的議論、倫理問題の抽出も、手を抜かずに進めておくことが重要でしょう。やはり日本でも「生命科学のELSI」を担う人材がもっと増えてほしいと思います。
1月25、26日には、東京のサピアタワーで開かれた幹細胞研究のシンポジウムに参加しました。
印象的だったのは、東京医科歯科大学が生命倫理センターを設置して、学内の倫理審査委員会のマネージメントを手伝ったり、専門職の育成に向けた海外との交流などの活動を進めていることでした。日本中の大学・研究機関で「倫理審査」が行われていますが、その質と効率性の確保は難しい課題で、大変参考になりました。さらに、ハーバード大学の幹細胞研究の監督のための委員会の活動についても学びました。
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脳科学シンポ、東海大講義、岡田先生お祝い 2008.1.21
1月13、14日の連休には京大の時計台で行われた脳科学の倫理についてのシンポジウムに参加しました。ヒトゲノム研究が研究費の5%をELSIに振り分けたように、脳科学でも十分な社会的倫理的側面の検討が行われることを期待したいです。
18日は東海大学医学部での講義とセミナー。昨年から客員准教授になっています。科学コミュニケーションの重要性やヒトゲノムデータの共有に関する課題などについて話してきました。
その帰りの19日夜、東京から直接京都木屋町に戻り、岡田節人先生の文化勲章受賞のお祝いの会に出てきました。岡田研関係の20名ほどの身内の会でした。皆が口々に述べていたのは、岡田先生が若い人を“encourage”するのがうまい、ということでした。人に会わせたり、海外の学会に連れて行ったり。改めて、それで皆が育ったのだと認識しました。
修士論文はいよいよ追い込みです。どうか皆が最後まで走り続けられますように。
(まもなく博士後期課程の編入試験の出願締め切りです。生命文化学に出願しようとする人は「必ず」事前に加藤までメール等で連絡をください)
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2008年の初めに 2008.1.10
明けましておめでとうございます。
7日に新年のミーティングを行い、今年の活動が本格的に始まりました。
挨拶で研究室メンバーに伝えた点は2つ。
1.生命科学研究の最前線にいる人たちと(これまで以上に)本格的にかかわり
ながら、コミュニケーション、倫理、ガバナンスの仕事をすることを目指す。
2.「考える」ことに力を入れる。各自が自分のやるべきことを自分で問いか
け、何をすべきか、誰に意見を聞くのがよいかを「自分で考える」。
私自身も昨年同様、多くのことに関わっていきます。
iPS細胞の研究が話題になっていますが、その発展にも役立ちたいと思っています。
10才、8才、2才となった子供たちは正月から大変元気です。特に2才の息子は、
今まさに「terrible two」。子供たちにエネルギーをもらいながら張り切って研
究と活動を進めます。
研究室メンバーともどもよろしくお願いします。
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比叡山の紅葉 2007.11.28
生命文化学が農学生命棟に引っ越してからもうすぐ半年です。
大学の雑用、学生たちとのディスカッション、いくつものイベント、などなど。少しも落ち着く暇もなく走ってきましたが、ふと窓の外を見たら比叡山は見事に紅葉していました。
この連休に「サイエンスアゴラ」「『細胞を創る』研究会」のために東京に出かけている間に一気に色が変わったようです。
まもなく12月、修士論文の追い込みの時期に入ります。(苦しみ、焦りつつも)学生たちがそれぞれの個性を最大限に発揮した作品ができることを祈っています。
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大学院入試の季節 2007.7.16
新学期から走り続けて、気がつけば夏。
夏といえば大学院入試の季節です。
今年は出願期間が近づいてから問い合わせてくる学生さんが多く、忙しい毎日です。
大学院入試に加えて、準備中の複数の論文の仕上げ(と準備)に向けた仕事、写真展やゲノムひろば2007の準備、日ごとにやんちゃになる2歳の息子の世話など、今年の夏も例年と同じく走り続けることになりそうです。(ホームページには詳細が出ていませんが、ゲノムひろば2007は大阪のOMMビルで10月13日(土)14日(日)に開催することが決定しています。追って詳しい情報を掲載します)
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最近の出来事 2007.6.5
あまりに何も書かない時間が過ぎてしまいましたので、無理をしないで2つほど。
1.5月19日から25日まで、モントリオールに行ってきました。ヒトゲノム国際機構(HUGO)の年会HGM2007と倫理委員会に出席するためでした。倫理委員会では新しいゲノム薬理学(Pharmacogenomics)に関する声明を仕上げ、まもなくリリースされるはずです。
HGM2007では最新のゲノム研究の情報を仕入れてきました。高速シークエンスやHuman Epigenome Project などが面白い話題でした。最初の2日間ほど英語がうまく出ずに苦労し、滞在期間の後半でなんとか回復してきたのはショックでした。もっと頻繁に海外に出ることを考えたいと思いました。
2.6月1日には、京大生物系のソフトボール大会でした。結果は2戦2敗、でも空き時間で行った練習試合では勝ちました。とにかくチームを作れたのはとてもうれしかった(2年前は他のチームに混ぜてもらいました)。もうひとつの収穫は研究室メンバーの隠れた才能を見せてもらったこと。日頃おとなしい松田君が実はとても強力な戦力であることや、八幡さんは立派にピッチャーができることなどです。僕自身は次の日に全身が痛んでダウン。日ごろの運動不足を反省しました。
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2007年が始まりました 2007.1.12
1月も第2週となり、研究室の活動が本格的にスタートしました。
「魅力ある大学院教育プログラム」の講義の準備、政府の補正予算がついて突然決まった(生命文化学の)研究室の引越しに向けての検討etc.で時間を取られ、ようやく新年の「ひとこと」を書いています。(引越しについては同じ工学部9号館の住人である柳田さんのブログにいろいろ書かれているようなので、どうぞそちらを見てください。実は人文研も本部構内に移転することが昨年の春から決定済み。いずれも学内の耐震工事を進めるためで、理屈としては良い話。でも、おかげで僕は1年に2回、引越しすることになりました。補正予算に感謝します!?)
昨年は本当に多くのことがあった年でした。
全体としては「実践活動」の年だったと言えます。ヒトゲノムマップの制作、科学館との連携という初めての試みの「プラネタリウムプロジェクト」、2年ぶりの本格的な「ゲノムひろば」と、息をつく間も無く一年が過ぎました。詳しくはそれぞれについて報告することになりますが、ヒトゲノムマップについては予想を上回る反響があり、「プラネタリムプロジェクト」と「ゲノムひろば」については、期待通りの数の方に来ていただき(「ゲノムひろば」は東京会場で980人、京都会場で1,154人、総計2,134人の方が来場)、とにかくほっとしています。なによりもこれらの活動を通して、科学研究者についても、それ以外の分野の人々についても、これまで以上に多くの方々と交流することができたのはうれしいことでした。
こうした2006年の活動を受けて、今年はどんな年になるでしょう。
すでに研究室のメンバーには昨年12月から表明していますが、私としては「調査・研究を進める年」にしたいと考えています。ある程度の実践的プロジェクトは当然のこととして進行するのですが、全体としては2006年の「ゲノムひろば」のまとめや、昨年参加したメンバーが始めた様々な調査研究(具体的にはいずれ紹介します)などを論文や報告書にするための活動に力を入れていきます。
社会学、社会心理学、メディア研究、といった人文社会系の専門分野との交流をさらに活発にすることも重要です(そうした分野の方で大学院やポスドク研究員に興味があるという方は是非連絡してください)。春からは社会心理学分野出身の方に研究員として参加してもらうことも予定しています。
学生たちにはもっとサイエンスの勉強をしよう、ということも言っています。昨年研究会に来ていただいた理研CDBの広報国際化室のシップさんは、なんと文科系出身ですが、広報の仕事をするに当たって、スタンダードな教科書を読めば3ヶ月程度で勉強できる、と言い切られました。京大内では常に最新の研究分野のセミナーが開催されているわけですから、教科書による勉強とセミナーへの参加を組み合わせれば、最新のサイエンスの動きがわかるようになるはずです。もちろん本当の先端研究については、同じような話を2、3度聞いてようやく理解できるということもあります。だからこそ、同じ大学のキャンパス内で行われているセミナーや講義に日常的に参加するのがよいのです。
昨年同様、プライベートについてひとこと。
一昨年の夏に生まれた息子(次男)は1歳半になりました。
昨年は年明け早々、いきなりRSウイルスという、たちの悪いウイルスによる風邪に罹り、40℃の熱を出したり、レントゲンを取ったりと、大変な正月でした。今年は姉(長女)と兄(長男)と一緒に、プラレールやミニカーなど、いろんな遊びをしながら家中を走り回っています(すぐにこけるので危なくてしょうがないのですが)。実は家内が最近、パートタイムで子供英語教室の先生を始めたので、昨年同様「父親業」も多忙になりそうです。でも実は子供の相手は大好きなので、ふうふう言いながら楽しむつもりです。(研究室の皆さん、いろいろ迷惑かけますが、どうかお許しを)
正月に浜大津の琵琶湖畔にある「なぎさ公園」から眺めた湖西の山々には、例年ほどの雪はありませんでした。1月、2月のうちには雪で覆われて美しい景色が見られる日もあるでしょう。滋賀と京都の四季の変化を楽しむ余裕だけは持って、一年を過ごしたいと思っています。
久しぶりの「ひとこと」で長くなりました。
研究室メンバーともども、どうぞ今年もよろしくお願いします。
(追記)
昨年の後半に大学院に関心があるという方やポスドク希望の方からいただいたメールのうち、お返事ができていないものがいくつかあります。メールを書いたのに待っても返事が来ない、と思われたら、是非、もう一度問い合わせのメールを送ってくださいますようお願いします。
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「ゲノムひろば」の準備(+α) 2006.10.9
いつもながら、久しぶりのひとことです。
実は9月後半から体調を崩して休んでいました。はっきりとは書きませんが、要は過労とストレスが原因の病気です。「中年」といわれる年齢になると、以前のように仕事が山積みのときに「ただ頑張り続ける」ということでは駄目で、頑張りすぎると必ずつけが回ってくるということのようです。無理がきかないからこそ、もっと頭を使って賢く仕事を進めなくてはならないですね(今頃こんなことに気付いているとは情けない)。
ところで、研究室は今、「ゲノムひろば2006」の準備で大忙しです。
学生や研究員たちは、自分の研究テーマを進めつつ、「ゲノムひろば」のスタッフとしての仕事をこなさなくてはなりません。2つのことはお互いに関連しており、中には「ゲノムひろば」を通して研究を進めている人もいますが、それでも時間的には大変な負担です。けれども、「実践も研究も両方できる人に育ってほしい」と考える僕としては、この大変さから逆に多くのことを学んでほしいと願っているところです。
今回の「ゲノムひろば」では、一般の来場者だけでなく、科学コミュニケーターや大学・研究機関の広報関係者、さらには倫理的・社会的問題に取り組む研究者など、「科学研究と社会をつなぐ専門家」にたくさん来てもらうことを企画しています。さらには新しいプログラムとして、ゲノムをテーマにしたサイエンスカフェ「おしゃべりゲノム」を用意しました。僕にはもうない20代のエネルギーが支えてくれる新しい「ゲノムひろば」は、どんな風に展開するのか。是非、多くの方に見に来ていただきたいです。
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大学院入試の季節です 2006.7.18
4月のひとことから3ヶ月以上経ちました。
遂に「加藤さん、そろそろKKのひとこと書いてくださいよ」と研究室のメンバーに催促され、筆を取っています。
この3ヶ月の出来事を少しだけ紹介すると、
4月 8人(修士課程4名、博士課程2名、ポスドク2名)の新人が研究をスタート。まだまだみんな試行錯誤ですが、少しずつテーマが見えてきている気がします。
4月11、18日 生命倫理学講義(生命科学研究科)
11日には加藤が、生命科学と社会の接点の重要性・ゲノム研究とELSI・社会とのコミュニケーションについて講義。18日には、位田隆一先生にヒトES細胞およびヒトクローン胚について、浅井篤先生に臨床医学の倫理について講義していただきました。新年度最初の講義だったこともあり、40人以上の学生が参加してくれたのはうれしいことでした。
5月16−21日 韓国ソウルで科学コミュニケーションの国際会議PCST。独立した科学コミュニケーターが科学を伝えるだけでなく、現場の科学者・技術者のための科学コミュニケーションのトレーニングに携わっている人が世界には多数いることがわかったのが収穫でした。(Post-conference workshop: Training Scientists to communicate with lay audiences)。
5月31日−6月3日(KKのみ)
フィンランド・ヘルシンキでHGM2006(HUGOヒトゲノム国際機構の年会)。ゲノム研究と生活習慣等を組み合わせるゲノム疫学のオンパレード。ヒトゲノムの進化のセッションも面白かった。
6月13日、20日、27日
生命文化学特論A(科学コミュニケーション特論)
今年は林衛さんと大岩ゆりさんに来ていただいて、雑誌記事と新聞記事の執筆の演習を行いました。新聞記事執筆の際のゲストは、再生研の中辻憲夫教授。
井出さんのプラネタリウム番組の投影も、1回目(6月10日)、2回目(7月15日)と無事終わりました。2回目には、韓国から植物分子生物学の先生がわざわざ来られ、是非、韓国と日本で科学コミュニケーションの人材交流を進めたいと語って下さいました。一人の学生のアイデアで始まった活動が様々な方向に波及して行く様子が面白い。
8月3,4日は、大学院の修士課程の入試です。
4月の入試説明会を含めると、これまでに20名近くの方が研究室訪問に来られました。でも、そのなかで「私は○○がやりたいです」と自分のビジョンを語れる人は少ない。実際の受験者はそれほど多くないのではないかと見ています。
願書提出は今日と明日(18、19日)のはず。
もし研究室を訪問せずに願書を出した方がおられたら、是非、試験までに僕に連絡を取ってください。
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新年度が始まりました+入試説明会 2006.4.1
2006年度が始まりました。8人の新しいメンバーが加わって、全部で15人規模になる生命文化学の研究グループでは、昨年度以上に多様な実践と調査・分析研究を進めていきます。(Webサイトのメンバー欄は4月中には更新の予定です。しばらくお待ちを)
実践については、まず、大学院生の加納君たちが中心となって作成してきた「ここまでわかった!! ヒトゲノムマップ」が、4月の科学技術週間に全国で配布されます。その後、6月と7月には大学院生の井出さんが中心となって企画・準備してきた科学館での催しを行います(詳細は4月末にプレスリリースの予定)。そして11月には「ゲノムひろば」を再び東京と京都で開催する予定です。
一方、調査研究もいろいろと進んでいます。詳細は省略しますが、いくつかは論文にむけてのデータ分析が進行中です。
現在、北大や東大ほか、多くの大学で科学コミュニケーションの実践と人材育成のプログラムが実施されています。そこで話題になっているのは、実践の評価やコミュニケーションを巡る問題についての調査研究や分析的研究の必要性です。私達の研究室では、実践もやりますが、同時に、それらの活動の評価やコミュニケーションを巡る問題についての分析的研究を行うことを目指しています。
4月6日には夏の修士課程大学院入試についての説明会が開催されます。私達の研究室の特徴は、1)実践と調査・分析研究の両方を行っていること、2)科学・技術全般を扱うのではなく、生物学・生命科学のみを対象に実践・研究を行っていること、です。こうした内容に興味をお持ちの方は、是非、説明会の日の午後、研究室を訪ねてきてください。
生命文化学だけでなく、私の本務である人文科学研究所でも最近のできごとで話題にしたいことがありますが、それについてはまた次に。
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年度末の行事いろいろ 2006.3.6
あっという間に3月に入ってしまいました。年度末というのは大学人にとっては何かと忙しい時期です。研究費の報告書、班会議、公開シンポジウム、などなど。いつものようにこの2ヶ月ほどの出来事をメモしておきます。
1月14日 生命科学と社会のコミュニケーション研究会。人文社会科学から科学コミュニケーションなどの実践を分析する手法について、2人のゲストに講演してもらいました。生命文化学の皆も、社会学などの既存の分野の手法についてもっと学ばなくてはならないという気持ちになりました。同時に、既存の人文社会科学分野の研究も、ある程度歴史はあっても、まだまだ現場の科学者コミュニティーに十分に影響を与えるほどのことはできておらず、科学研究の現場にダイレクトに影響を与えるような研究は我々自身が開拓していく必要があると感じました。参加者に若い学生が多く、30人ほどが懇親会で盛り上がったのは良かった。伊東さんが「ひとこと日誌」に書いたレポートも見て下さい。
1月19‐20日 東京での国際シンポジウム。ヒトゲノムのELSIについて海外から3人のゲストを招きました。ELSIについて、しかも、英語で果たしてパネルディスカッションがうまく進むのかと心配でしたが、ゲノム医学を進めるに当たっての具体的課題や市民との議論(public engagement)の効果等について、かなり突っ込んだ議論ができました。今、テープ起こしを作っており、いずれ冊子になる予定です。
1月21日 市民講座「ゲノム科学と社会」。村上陽一郎先生が文明史の中の生命科学の意味について重たい問題提起をされたのは、ちょっと驚きでした。これについても詳細はいずれ冊子になりますので、そちらで。
1月23日 京大人文研でのセミナー「ゲノム研究と社会―生命倫理から市民とのコミュニケーションまで」。シンガポールのKaanさん、NIHのMcEwenさんに、東京での国際シンポよりも、ゆっくりとお話をしていただくことができました。シンガポールの国家生命倫理委員会がどのように社会の中の多様なセクターの意見を取り入れてきたか、有名なNIHのELSIプログラムの歴史と現在、などについて詳しく聞くことができました。ELSIプログラムは、哲学から歴史学、さらにはゲノム研究に反対の立場の研究まで、実に広い分野の研究をサポートしています。日本は科研費・特定領域研究の「応用ゲノム」に社会との接点の研究課題が入って、それはそれですばらしいことですが、もっともっと多様なELSIの研究がなされる必要があるのではないでしょうか。セミナーの後、参加者も含め10名ほどで先斗町の串かつ屋で食事をしたのは楽しかった。
1月28−29日 ミレニアム特定領域「ゲノム」公開シンポジウム。どうして2週も続けてゲノムをテーマに公開シンポがあるのか、理解に苦しむところですが、とにかく相当多数の来場者がありました。僕はパネルディスカッションで「社会との接点」担当で参加してきました。(いつもやっている)進行役ではなくパネリストだったので準備が要らず、楽しむことができました。これもいずれ本になるそうです。
2月13‐14日 総合研究大学院大学での科学コミュニケーターに関するワークショップに出席。初めて総研大に行きました。かなり町から離れたところ。社会との接点といってもどんな人をどのような形で相手にするのか、簡単ではないでしょうね。とにかく、ずっと会いたいと思っていた平田光司さんにようやく会えました。
2月16−17日 科研費・特定領域研究「応用ゲノム」の班会議。企画委員会という総括班の活動を考える委員会も開催され、「応用ゲノム」としての第2回の国際シンポジウムを今年の12月に開催することが決まりました。私は信州大学の福嶋先生と一緒にELSIのセッションを再び担当します。
4月からの新入生のうちの何人かが、卒業論文や修士論文(博士課程からの編入生の場合)を終えて、春からの研究について相談に来ています。今年は新人の数がとても多く、修士課程が4名、博士課程(編入)が2名入学してくる予定ですが(さらにポスドクが2名参加)、これまでのところ、皆自分のやりたいことが結構はっきりしていることに感心させられています。
「自分でこの分野を開拓する気はありますか。自由はあるけど大変ですよ」という僕の言葉を聞いた後でも、やはり生命文化学に来たいと言ってくれた人達らしく、頼もしい限りです。
今日はこのくらいで。
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新年を迎えて 2006.1.6
1月5日に研究室のメンバーが集まり、新しい年の活動を本格的に始めました。今年は私が人文研に来て6年目、生命文化学が始まって3年目に入ります。いろいろな意味で大きく前に進む年にしたいと思います。(同時に、積み残した仕事を終えることもしなくてはならないのですが)
5月には韓国・ソウルで科学コミュニケーションの国際会議・PCST(Public Communication of Science and Technology)が開催される予定です。研究室からは4つの演題を申込み、メンバー全員で出かけます。どんな出会いや発見があるか。今から楽しみです。
昨年に引き続き、科学コミュニケーションは活発な分野であり続けるでしょう。様々な活動が行われる中で、自分達は何に力を入れていくのかが問われます。私としてはこれまで以上に生命科学研究の現場および研究者たちと深く関わっていく年にしたいと考えます。最先端の研究を進める人たちのすぐそばにいる我々が取るべきスタンスと考えるからです。私たち自身が生命科学(と生物学)の研究をもっと深く知り、その上でコミュニケーションや生命倫理の研究・活動を行いたい。深く関わることの中には、社会の側や生命科学以外の分野からの意見や批判を研究者のコミュニティーにぶつけていくことも含まれます。韓国ソウル大学のES細胞研究捏造事件のような事態を受けて、研究者のコミュニティーは何を考え、どんな行動を起こすのでしょうか。社会の側の視点で見つめていきます。
プライベートでは昨年8月に男の子が誕生し、3人の子供を抱えることになりました。昨年同様、できるだけ仕事を効率的に進め、父親としての役割を果たすことが今年一年の目標です。現状では、赤ん坊を週の半分、お風呂に入れることで精一杯ですが、本当はもっと子供たちと一緒にいたいのです。
今年もまた、多くの人と出会い、お世話になることと思います。研究室のメンバーともども、どうぞよろしくお願いいたします
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国際プロジェクトに参加して 2005.11.26
一ヶ月近く経ってしまいましたが、10月下旬の約一週間、米国ソルトレークシティーに行ってきました。
前半は国際ハップマップ計画の会議、後半は米国人類遺伝学会でした。国際ハップマップ計画とは、2002年から3年間の計画で進められてきた国際プロジェクトで、ヒトゲノムの多様性の分布を示す「ハプロタイプ地図」をゲノム全体について作ることを目指すものでした。開始から3年になるこの秋、当初計画した第一フェーズの研究が終了し、10月27日付けのネイチャー誌に論文が公表されました。
私はこの国際プロジェクトに「ELSI(倫理的・法的・社会的問題)グループ」の一員として参加したのですが、イギリス、日本、アメリカと場所を変えて行われた運営会議には、プロジェクトに参加するすべての研究者(実験研究やデータの分析をしている人たち)が参加するので、ヒトゲノムに関する大型の国際プロジェクトが、どのようなやり方で運営されるものであるかということを実際に体験することができました。特に、プロジェクト全体のコーディネーターとして、ヒトゲノム計画のリーダーだった米国ヒトゲノム研究所のFrancis Collins氏が参加しており、その見事な(巧妙な)リーダーシップの取り方を見て、なるほど、この人がいたから、セレラ社との大変な競争の中でヒトゲノム計画は無事進んだのだろうと感じました。
ただし、当初からこのプロジェクトはアメリカNIHの主導で進められてきており、日本を含むアメリカ以外の参加各国は、自分たちの意見をしっかりと出すように積極的に努力しないと、多くのことがアメリカの人たちの意見を中心に決まってしまう仕組みになっているのも確かでした。具体的なことはいずれどこかで紹介する機会があるかと思いますが、国際プロジェクトの面白さと難しさを垣間見ることができた3年間でした。
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半年が過ぎて 2005.10.22
2005年度も半分が過ぎました。昨年からの伊東真知子さんに加え、4月から4人の大学院生を迎え、昨年度同様、ひたすら慌しく過ごして来た半年でした。6月から8月の特論の講義を終え、さらに夏休みも過ぎて、学生たちはなんとか各自のテーマを自分のものとして捉え、取り組むことができ始めているように思います。8月には来年の学生さんを決める大学院入試を実施し、4人の学生さんが合格しました。来年の研究室は10人以上のグループになりそうです。それから、伊東さんはめでたく国際誌に論文を発表しました。生命文化学にとっての記念すべき第一号の論文です。
とは言え、生命文化学はまだ始まったばかり。それぞれの学生たちが最大限の力を発揮できるよう、本当に自分は十分な努力ができているか。毎日自分に問いかけながら仕事をしています。
明日からは米国出張です。国際ハップマップ計画の会議です。その後、米国人類遺伝学会に出席し、ヒトゲノム研究の今を見てくる予定です。帰国したら報告します。
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ニーズはある、あとは・・・ 2005.2.21
2月も下旬となりました。
ここ1ヶ月ほどの出来事を一部ですが話題にしておきます。
1月23日(日)には、東京で、生命倫理、法学、医学などの研究者が集まる研究会に参加し、科学コミュニケーションをテーマにしたセッションで話題提供をしました。1) イギリスにおける科学コミュニケーションの歴史、一方通行の情報発信から対話重視へと変化してきていること、2) 日本では突然、科学コミュニケーションが注目され始めているが、新しく育てた人材をどこに配置するか、どのような活動を行うか、理科教育との役割分担など、様々な点で模索中であること、3)そうした人材が働く場所のひとつとして、大学や研究機関に科学コミュニケーションに関するポジションを作ると良いと考えていること、などを話しました。生命倫理に関わる人たちにとっても、科学研究の現状をどう共有するかは重要な課題で、大いに議論は盛り上がりました。
1月27日(木)には、徳島大学ゲノム機能研究センターのセミナーで話をしました。センターの将来を考えるために、「What’s next?」と題して、3回ほど外部からゲストを招いて講演会を企画されたそうで、私は2番目でした。「ゲノム研究と社会―生命倫理から科学コミュニケーションまで」というタイトルで、ゲノム研究と社会の接点における課題と取り組みについて話しました。生命倫理については、ユネスコやHUGO、そして日本の状況を紹介し、科学研究のコミュニケーションについては、23日に取り上げたような内容に加えて、「細胞の写真展」など芸術分野との共同の可能性などについて紹介しました。セミナーの前後には、センターの若い教授陣とともに、これからの研究の方向や社会・地域との関わりなどについて意見交換をすることができ、貴重な経験をすることができました。
科学コミュニケーションや生命倫理など、科学と社会の接点を考える分野は、今、本当に面白くなってきています。確かに科学コミュニケーションにしても生命倫理にしても、ごく最近になって活発になってきた分野であり、働く場が少ない、ポストがあまりない、という問題はあります。けれども、上記のような会に出ていると、いろいろな形でニーズがあるということを強く感じます。驚くほど多くの人がこうした分野について考えようとしている。あとは、こちらが「私たちはこういうことができます、こういうことがやりたいのです。」という具体的な姿を見せていくことではないか、そうすれば働く場は自然に用意されていく、と私は確信しています。
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新しい年を迎えて 2005.1.10
2005年が始まりました。
京都でも、私の住まいがある滋賀でも、雪とともに正月を迎え、新しい年に向けて気持ちを引き締めています。
今年は、科学コミュニケーションをはじめ、科学と社会の境界領域が昨年以上に注目されるようになることは、間違いありません。いろいろな催しや事業が行われることでしょう。そんな中で、私たちの研究室では、いたずらに周囲に振り回されることなく、自分たちがなすべきこと、できることをしっかりと見極め、落ち着いて進んでいきたいと思います。
大学という環境の中で科学研究と社会の接点の研究と実践を行うという、これまでにない形を作ることについても、まだまだ模索は続きます。4月から参加する新しいメンバーも含め各人が「自分の仕事(研究)」として誇れるものを見つけることができるように、私も研究室の皆も一緒に頑張っていきたいと思います。
個人的なこととしては、正月早々に妻が体調を崩し、7歳の娘と4歳の息子の面倒をみることから新年が始まりました。子供たちとの時間は大切にしたいとずっと思っているのに、このところあまり時間が取れない状態が続いていたのが、おかげでかなりの時間を一緒に過ごすことができました。子育ては、生命の面白さ、難しさが最もよくわかる経験の一つ。仕事に振り回されてばかりでなく、しっかりと子供たちとの時間を持たねばという思いを強くしました。
というわけで、新年のひとことが遅くなりましたが、今年も研究室のメンバーともどもよろしくお願いします。
「準備中」のページばかりのWebサイトも、できるだけ充実させていく予定です。
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良いお年を 2004.12.31
2004年の最後の日になりました。
今年は以前にも増して多くのことがあった年でした。生命文化学研究室の立ち上げと初めての大学院講義、そしてゲノムひろば第3回の開催といった大きな仕事は、なんとか無事終えることができました。大学院生の伊東さんも無事研究をスタートさせ、研究員の加藤牧菜さんもゲノムひろばの基本展示の制作などを中心に頑張ってくれました。今年の1月には部屋の改装も終っておらず、まったく空っぽだった生命文化学の研究室が、1年たってそれなりの形を整えて動き出すことができたのは、研究室の3人のメンバーのおかげです。
ただ、私自身は、正直なところ、次々と迫ってくる仕事をひたすらこなしていくのに精一杯で、なかなか創造的な方向に頭を使うことができなかった気がしています。
今年は、日本でも海外でも、自然災害の多い年でした。12月26日に発生したインド洋の大津波では、亡くなった人々が10万人を越えたというニュースが流れています。太平洋側で整っていた津波の警報システムがなぜインド洋側で整備されていなかったのか。大げさな表現をすれば、社会における科学や技術のあり方が問われることになるでしょう。そうした議論は、地震という分野を越えて、科学と技術のあらゆる分野に広がる可能性が高いと思います。生命科学にしても、日本や欧米のような先進国の人々だけでなく、今回被災したような国々の人々を含む世界中の人々にどう役立つのかを考えることが必要になるでしょう。
来年こそは、雑用をうまくこなして、余裕を持って将来を考える年にしたいと思います。皆さま、どうぞ良いお年をお迎えください。
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ハワードヒューズ医学研究所 (+大学院生募集) 2004.12.3
11月30日の朝日新聞朝刊に、柳澤桂子さんの「宇宙の底で」という連載のエッセイが掲載されていました。
取り上げられていたのが、表題に挙げたアメリカの「ハワードヒューズ医学研究所(英語ではHHMIと略される)」です。
HHMIは、大富豪であったハワードヒューズが設立した医学・生物学研究のための財団で、アメリカを中心に世界中の
優秀な研究者に対して、潤沢な額の研究費を出しています。重要なことは、才能ある研究者を見出す仕組みを
持っていることで、結果としてノーベル賞級の研究が次々に生まれています。私もイギリス留学時代からHHMIの存在は
知っており、この人はすごい、と思う研究者が軒並みHHMIにサポートされているのにはいつも感心していました。
また、目の前で医学に直結する分野だけでなく、細胞や個体発生などの基礎研究分野の研究者がしっかりとサポートされて
いることも特色です。具体例を一つだけ挙げておくと、生命誌研究館にいた頃、季刊誌『生命誌』のためにインタビューした
カリフォルニア大学のCornelia Bargmann準教授(現・ロックフェラー大学教授)は、線虫の嗅覚の研究をしていました。
ところで、ここで言いたいのは、このハワードヒューズ医学研究所が、科学コミュニケーションについても非常に
優れた活動をしているということです。かつて、イギリス留学時代に研究室の教授宛に届いていたニュースレターを見て、
その見事さに感心したという記憶があるものの、しばらく詳細をフォローしていなかったのですが、最近
Webサイトを見て、
その活動の充実ぶりに驚きました。ニュースレターの発行だけでなく、一般市民向けのレクチャーなども活発に行っており、
レクチャーの一部はWeb上でビデオとして見ることができます。
決してなんでも西欧のものが良いとは思いませんし、日本でも随所で活発な活動が始まっていることは
言うまでもありません。けれども、研究機関・研究組織による社会への情報発信・社会との
コミュニケーションに関しては、米国やヨーロッパに、参考にすべき例がまだまだ多く
あるように思います。
話題は変わりますが、ホームページの
Informationのコーナーに博士後期課程の学生募集のお知らせを掲載しました。
生物学・生命科学系の修士課程を終えた方、あるいは修了予定という方に応募していただきたいと考えています。試験の内容は募集要項に掲載されますが、
英語と修士論文に関する発表が基本になります。希望の方は受験前に私に連絡を取っていただく必要がありますので、是非、
気軽に連絡を下さい。同じ研究室で進学しようか、私たちの分野に転身しようか迷っている方で、まずは少し話を聞いてみたい
という程度の方でも結構です。メールをお待ちしています。
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ホームページをリニューアルしました その他いろいろ 2004.11.13
4ヶ月ぶりの「ひとこと」です。 この間に実に多くのことがありました。
まず初めの報告は、10月末のホームページのリニューアルです。主として研究員の加藤牧菜さんが中心になってリニューアル用のページを作成して下さり、「メンバー」欄、「研究」欄などが
新しくなりました。今後、「研究室メンバーのひとこと日誌」は毎週更新の予定ということで楽しみです。
研究室の女性たちはとてもパワフルで、僕も負けてはいられないと毎日気合を入れています。
その他、記録代わりに夏から秋にかけての出来事をメモしておきます。
(1)「ゲノムひろば2004」が無事終わりました(7月31日8月1日福岡、8月7−8日京都)。今年も各会場ほぼ千人の来場者があり、大いに盛り上がりました。現在、3年間の結果をまとめた報告書を作成中です。
(2)今年の3月に終了した科学技術振興調整費のプロジェクト「アジアにおける生命倫理に関する対話と普及」(代表:京都大法学研究科・位田隆一教授)の報告会で発表を行いました。
(8月4日東京、8月10日京都)
(3)生命科学研究科・平成17年度大学院修士課程入学試験を実施(8月11−12日)。生命文化学分野の志望者は7名で、5名の方に合格通知を出しました。志望者も合格者も、生命科学系出身者と文科系学部出身者が
ほぼ半々ずつでした。何名の方が来年4月に入学されるかはわかりませんが、初めての修士課程学生が誕生することは間違いなく、研究室はさらに賑やかになりそうです。
(4)特定領域ゲノム4領域の班会議に参加(8月18−20日神戸)。
(5)「ティータイムon ゲノムひろば」を開催。「ゲノムひろば2004」の京都会場で、「ゲノムひろば」に関する感想・意見などを後日改めて聞かせていただける方を募集しました。
5名の方が希望して下さり、8月23日の午後、生命文化学の研究室でお茶とケーキをいただきながら、いろいろな意見を聞かせていただきました。
(6)立命館大学先端学術総合研究科での集中講義(9月13−18日)。昨年から始めて2年目。生命科学そのものについての話を盛り込みながら、生命倫理、コミュニケーションなどについて講義しています。
少数精鋭で活発に議論ができる雰囲気で、熱意と力のある学生さんに毎年会えるのは面白い。
(7)国際ハップマップ計画運営会議に参加(9月19−21日英国ケンブリッジ)。ヒトゲノムの多様性が具体的にどのようなものかを調べようというプロジェクトです。日米英中加の5ヶ国が参加する
国際プロジェクトで、生命倫理の立場から私も参加しています。12月には次の会議が日本で開催されます。ヒトゲノム研究の最先端で何が起こっているのか。その一端を垣間見ています。
(8)奈良先端科学技術大学院大学での講義(10月29日、11月2日)。バイオテクノロジー特論という枠の中で、「生命科学と社会」をテーマに合計4コマの講義をしました。今年で4年目です。
取り上げた内容は、生命科学における普遍性と多様性、生命を持つ存在の歴史性、生命倫理、科学コミュニケーションなどです。一通り社会的課題について話した後、最後のところで、生き物の世界の持つ
芸術的側面や(例えば「細胞の写真展」)、歴史の産物としての巧妙な生命の仕組みを理解することで、生命を持つものに対する畏敬の念や愛情が生まれる可能性について話をしました。
以上、いずれも説明不足でしょうが、しばらくはこのようなメモ程度のひとこと欄を続けていくつもりです。
このところ、科学コミュニケーションという言葉が相当頻繁に使われるようになった気がします。けれども、よく見てみると多くの場面で、科学コミュニケーションが「科学や技術に対する理解増進」
と同義であったり、「科学者の説明責任を果たすための活動」という意味で使われていたりするのが気になります。私にとっての科学コミュニケーションはこれらとはかなり意味が違います。
生命誌研究館にいた頃から続けてきているつもりですが、やはり、生物学や生命科学を話題にすることを通して、「生命や自然について考える、生きることを考える、社会の中の科学について考える」というように、
「考えること」につながる研究と活動を目指したいと考えています。(これも説明不足でしょうが、また書きます)。
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生命科学研究科シンポジウム他 2004.7.6
あっという間に7月です。ここ2週間の出来事について簡単に報告します。
(1)先週の6月30日、7月1日は生命科学研究科のシンポジウムでした。
私は生命文化学の活動と研究についての紹介に加え、科学コミュニケーションや生命倫理について考えることが広い意味で生命科学研究そのものについて考えることになる、という主旨の話をしました。
(2)ゲノムひろばのプレスリリース(記者レクチャー)を7月2日、京大の記者クラブで行いました。
1社でも2社でもと思っていましたがそれ以上の参加があり、ありがたいことでした。記事も出るといいいのですが。
同時に文部科学省の記者クラブなどにも投げ込んであります。
(3)日曜日(4日)の朝日新聞に、理化学研究所の西川伸一さんの
論評が出ました。全体の生と部分の生を分けて見る現代生命科学の見方と非専門家の感覚とのずれを指摘した上で、産業への応用とは異なる視点で
基礎的な研究の意味を社会の様々なセクターの人たちが議論していくことの重要性を述べておられます。いずれまたゆっくり取り上げようとは思いますが、
全体として私の考えていることと重なるところが多々あります。
(4)東京新聞の本日(7月6日)付けの朝刊(中日新聞では夕刊だそうです)
の科学欄に科学コミュニケーションに関する記事が出ました。東京の日本科学未来館やその他の動きに加えて、生命文化学講座のことも取り上げていただきました。
実践と研究の両方を目指してしっかりやらねばと感じています。
いろいろありすぎて雑な書き方になりましたが、今日はこれくらいで。
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大学院入試説明会と人文研研究会 2004.6.21
昨日は、東京で生命科学研究科の大学院入試説明会がありました。
全部で70人ほどの人が参加され、研究科に対する関心の高さを感じました。生命文化学についても私が紹介し、終了後の個別相談の時間に3人の人が来てくれました。そろそろ雑誌(細胞工学・実験医学・
蛋白質核酸酵素)に生命文化学の学生募集の広告が出るはずです。多くの人が見てくれるといいのですが。生命科学研究科の募集案内はこちら。
異なる話題ですが、先週の土曜日(19日)は人文科学研究所の共同研究「文明と言語」の会でした。大阪大学の文化人類学者でカナダのイヌイットの調査をされている
大村敬一さんがゲストスピーカーでした。イヌイットの文化は現代科学とは
異なる見方を提示してくれるものとして、注目を集めているそうです。
彼らによると、法則性の発見とその適用による予測を重視する現代科学は
「子供」の文化で、「大人」は個々の事象を見て、無理な理論化はしない
のだそうです。さらには、「怒る人」「他人の意見に反対する人」も「大人」
ではないとか。
会では情報学研究科の助手の方で、職人の芸の伝達を研究テーマにしているという
人に会いました。こんなことをやっている人が京大にいたのか、とまた発見です。
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この2ヶ月のできごと(2) 2004.6.18
昨日は東京でしたが、今日は一日京都にいる予定。一昨日の続きを書きます。
(4)研究室のホームページの更新ができていませんが、新しい年度に入り、研究室のメンバーが変わっています。昨年まで在籍した山岸敦さん(2002年8月〜2004年3月)がJT生命誌研究館(BRH)のSICP(サイエンスコミュニケーション&プロダクション)セクターのスタッフとして就職しました。山岸さんは私のところに来る前からBRHの催しに参加しており、そもそも私が山岸さんに初めて会ったのはBRHのサマースクールでした。タイミング良く就職できたのはとても良かったと思います。
入れ代わりに、4月からは博士課程の一年生として伊東真知子さんという方が、5月からは研究員として加藤牧菜さん(たまたま姓が同じですが私の親戚ではありません)という方が参加してくれています。伊東さんは、京都大学理学研究科の佐藤矩行さんのところでホヤのゲノム解析の研究で修士号を取ったあと、生命文化学の初めての学生として生命科学研究科に編入して来ました。佐藤研の学生として、2002年、2003年のゲノムひろばにも参加し、博士課程では科学コミュニケーションの分野で実践と研究がやりたいと張り切っています。加藤牧菜さんは、筑波大学の生物科学研究科で生命倫理の研究を行い、今年の3月に博士号を取得されました。バイオ企業の生命倫理問題への取り組みを調べる中で、科学のコミュニケーションが重要だと考えるようになったということで、山岸さんの後任として参加して下さっています。
さらに、昨年までのホームページには登場していませんが、山本芳栄さんという方が2002年から研究支援者として研究室を支えて下さっています。
たった4人の研究室ですが、異なるキャリアを持ったメンバーで、また、牧菜さんが東京出身であとの3人が関西出身あるいは関西が長いということで、文化的ギャップによる発見もたくさんあり、笑いでいっぱいの毎日です(もちろん、大変なこともたくさんありますが)。ホームページのメンバーのところはできるだけ早く更新する予定ですので、ご了承ください。
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この2ヶ月のできごと 2004.6.16
生命文化学講座がスタートして2ヶ月以上が経ちました。相変わらずひとこと日記に書く暇もなく時間が過ぎていきますが、この間、実に多くのことがありました。いくつか落書きのように書いておこうと思います。
(1) 生命文化学研究室が世話役となって5月に開講した大学院向けの講義「生命文化学特論A(科学コミュニケーション特論)」が無事終りました。加藤の総論的な講義(5月10日)に続き、京都造形芸術大学の竹村真一さんが12日に、朝日新聞科学医療部の記者の大岩ゆりさんが19日に、そして28日にフリージャーナリストの林衛さんが講師として来て下さいました。生命科学研究科の修士1年生と2年生、それに文学部や教育学部の学生さんなど、合わせて30人〜40人程度の学生が毎回参加。細かい部分では準備不足や改良すべき点は多々ありますが、全体としては議論も盛り上がって楽しい講義でした。来年はさらに改良したものにできるよう努力します。また、10月には生命倫理学も開講する予定です(詳細は9月までにホームページにも掲載予定)。
(2) ゲノムひろば2004の準備が進んでいます。ゲノム研究勢ぞろいの出展研究室が昨日決定しました。福岡と京都合わせて65研究室。3回目の研究室もあれば、初めてのところもあり、楽しみです。また、ゲノム談義とゲノムセミナーのゲストや講師も決まっています。まもなくホームページに掲載される予定です。加藤研究室ではそもそもゲノムのパネル作りを進めています。
(3) ゲノムひろばにロシアからお客さんが来ることが決まりました。HUGO(ヒトゲノム国際機構)の評議員の一人で人類遺伝学の先生です。
その他、まだまだ書くことがありますが、明日は東京出張なので、今日はこれくらいで。
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お知らせ2つ(ゲノムひろば2004と大学院説明会) 2004.4.3
今日は簡単なお知らせが2つです。
一つは「ゲノムひろば2004について」。今年もゲノムひろばを開催することが決まりました。いろいろ調査と議論をした結果、7月31日(土)8月1日(日)に福岡(エルガーラ、天神)で、8月7日(土)8日(日)に京都(京都産業会館、四条烏丸)で開催します。どうして2ヶ所なのか、どうして昨年と同じ都市なのかと思われるかもしれませんが、そのあたりの詳細はいずれまた報告することにして、とにかく今年は夏休みに開催するという第1報です。多くの方に知ってもらい、訪れてもらいたいと考えています。
もう一つは、4月1日のひとことに書いた生命文化学講座について。4月6日午前に生命科学研究科の大学院説明会(今夏の入試、つまり来年の入学者に向けてのものです)が京大会館で開かれるのですが、そこに私も出させていただいて生命文化学講座の説明をします。そして午後には研究室で個別の質問も受ける予定です。研究室は本部キャンパス内、百万遍角の入り口を入ってすぐの建物(旧工学部9号館)の2階208号室です。すでに尋ねてみたいという学生さんがおられ連絡を下さっています。
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「生命文化学講座」がスタートしました 2004.4.1
久しぶりの「ひとこと」です。
突然のことですが、今日4月1日から、人文科学研究所のポストに加えて京大の大学院生命科学研究科の「生命文化学」講座に併任助教授として新しいポスト(および研究室)を持つことになりました。「生命文化学」講座では、科学コミュニケーションや生命倫理、現代科学史などの、「生命科学と社会との接点」で重要な役割を果たす分野の実践や研究を行うことを目的にしています。
講座の体制が決まるのがかなり遅かったために、この3月にようやく今年度(平成16年度)の大学院生の募集を開始し、4月に入ってから大学院入試を行う予定になっています(詳しくは生命科学研究科のホームページ参照)。急なことなので今年は応募者が少ないかもしれませんが、是非、来年(今年の夏に入試、17年4月入学)にはやる気のある若い人に受験してほしいと願っています。(問い合わせはメールで加藤までどうぞ)
私は以前(2001年1月まで)の職場であるJT生命誌研究館にいた時から、「科学研究のすぐそばに社会との接点を考える部門を作ろう」と主張してきており、その意味で、今回生命科学研究科の中に生命文化学講座ができ、その運営に自分が関わることができることは本当にうれしいことです。ここ2年ほどは「ゲノムひろば」を通したゲノム研究のコミュニケーションの実践に相当な力をかけてきましたが、これからはゲノム研究はもちろん、それ以外の研究分野にも力を入れていきたいと思います。セミナーや研究会も企画していきます。どうぞよろしくお願いします。
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ゲノムひろばが始まります 2003.10.31
6月にこの欄にひと言書いてから、なんと4ヶ月も経ってしまいました。その間、実にいろいろなことが起こり、なかなかゆっくりと日記を書く余裕が作れませんでした。実は明日から「ゲノムひろば2003」が始まります。まもなく福岡に向けて出発するのですが、その直前にひと言を書いています。この週末(11月1日、2日)の福岡を皮切りに、来週末(8日、9日)は京都、15日、16日は東京です。昨年は大いに盛り上がった「ゲノムひろば」ですが、今年はどんな風になることやら、とても楽しみです。
ゲノムひろばにあわせて、「あっとゲノム」にはノーベル賞学者 John E.Sulstonさんのインタビュービデオを載せました。彼は、これからサイエンスを志そうという若い人に向かって、ビッグサイエンスの時代でもきっと面白い(意味のある)テーマが見つかると明るく語ってくれています。法人化とか、外部評価とか、大学の周辺は騒がしいのですが、Sulstonさんのメッセージは、あらゆる分野の人に対して「落ち着いて自分のやりたいこと(自分が重要だと信じること)を進めなさい」と言っておられるように感じます。是非、多くの方に見てほしいと思います。
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研究会が近づいてきました 2003.6.18
生命科学と社会のコミュニケーション研究会の第1回が近づいてきました。はじめに企画したときは、インフォーマルな小さな会をイメージしていたのですが、いきなり5月31日に京都新聞が大きな記事を出してくれたり、いろいろなメーリングリストに流したのに対してそれなりに反応があったりで、どうやら少なくとも50人以上は集まりそうな様子です。
5月の末には、京都大学の再生医科学研究所の中辻憲夫教授のグループが日本ではじめてヒトES細胞の樹立に成功したという発表がなされたり、ヒトゲノム関係でも、30万人の患者さんを対象に大規模な解析を行なうプロジェクトが始まったりと、あちらこちらで大きな動きがあります。そうした話題も含め、生命科学と社会をつなぐには何を考え、何ができるのかを議論したいと思います。いずれこのページでも報告する予定です。
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ホームページがようやくできました! 2003.5.30
ようやく研究室のホームページを立ち上げることができました。以前の職場であったJT生命誌研究館から京都大学に移って、ほぼ2年半、早くWebでの情報を出したいと思っていたのですが、なんとか形だけは作ることができました。
これからまだまだ内容を充実させていかなくてはなりませんが、まずは、「あっとゲノム」のページを見ていただければありがたい。昨年11月に東京、京都、福岡で開催した「ゲノムひろば」の時に研究室の山岸君が中心になって用意した「そもそもゲノム」のパネルの内容を、フラッシュの画像を使って、インターネットで立体的に見られるようにしようと考えて制作したものです。ゲノムが細胞の核の中に折り畳まれて入っている様子や、遺伝子の情報が転写、翻訳され、タンパク質になるところが、紙芝居のように見られます。(特に、転写と翻訳のあたりは、それなりにやりたかったことができたのですが、一番最初に遺伝のことが入っているのは迷ったところで、先にゲノムが細胞に入っているところを見せた方がよいかもしれない、などと、まだ試行錯誤中)次の目標は、ゲノム解析の最新の情報を入れること(多様な生物のゲノム解析の現状や、SNP、ハプロタイプなども)と、ゲノム研究の歴史、倫理的問題の部分を充実させることです。
6月21日には、新しい研究会(「生命科学と科学のコミュニケーション研究会」)を始めます。京都を中心に、生命科学と社会の接点について考えたい人、仕事をしている人が出会う場を作りたいと、これもまた以前から考えており、ようやくスタートです。あまり大げさなものをイメージしているわけではなく、あくまでインフォーマルな形で進めていこうと思っているのですが、果たしてどうなることやら。私の属している人文科学研究所は、フォーマルには大学院生を受け入れる体制がないのですが(文学研究科やいくつかの研究科に連携講座として参加している人はいるけれども)、昨年の「ゲノムひろば」をきっかけに、生命科学系などの学生が何人か出入りしてくれるようになっています。大学や学部、研究科といった既存の枠にとらわれずに、やりたいことを中心に人が集まるようになればうれしいのですが。
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