バルカン半島の紛争として勃発した戦争は、植民地帝国の戦争へと姿を変え、大戦の衝撃は世界に波及していった。植民地やアジアにとっての大戦経験に焦点をあて、大戦の世界性を考察する。

◎ はじめに(シリーズ総説)
世界戦争への道、そして「現代」の胎動
編集委員〔文責:山室信一(京都大)〕

1 総説
ヨーロッパ戦線と世界への波及
小関 隆(京都大)・平野千果子(武蔵大)

2 植民地の大戦経験
イギリス帝国とインド人兵士  石井美保(京都大)
ロシア帝国とオスマン帝国における動員  伊藤順二(京都大)
インド民族運動の転換  田辺明生(京都大)
コラム 南アフリカと大戦  堀内隆行(新潟大)

3 日本の参戦
大戦初期の日本外交  奈良岡聰智(京都大)
日本における「戦後論」  ヤン・シュミット(ボーフム大)
コラム 自治民政雑誌『斯民』に見る大戦  黒岩康博(天理大)
コラム 朝鮮にとっての大戦  李昇燁(佛教大)
コラム ヨーロッパの反応  ヤン・シュミット(ボーフム大)

4 アジアへの波及
中国ナショナリズムと大戦  小野寺史郎(京都大)
東アジア経済史から見た大戦  籠谷直人(京都大)
東南アジアにおける大戦  早瀬晋三(早稲田大)
オスマン帝国と大戦  鈴木 董(東京大学名誉教授)
コラム アメリカ海軍と日本  布施将夫(京都外国語大)

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