大戦の前後で、文学や芸術の相貌は一変する。大戦は上流社会が支えてきた芸術や学知の危機をもたらした。社会参加と自律のはざまで揺れ動く芸術。時代は大衆文化へと大きく舵を切る。

1 総説
「芸術」の崩壊と大衆文化  岡田暁生(京都大)

2 参加の芸術/芸術の自律
大戦と演奏会文化の変質  岡田暁生(京都大)
モダン・アートの〈参戦〉と〈偽装〉  河本真理(広島大)
大戦とアヴァンギャルド  久保昭博(関西学院大)
コラム 武器をアートにする  田中雅一(京都大)

3 物語りの断片化と再統合
精神分析からみた大戦と心的生の変容  立木康介(京都大)
戦争を書く――『見出された時』と大戦  小黒昌文(駒澤大)
マルク・ブロックの戦場――戦争経験と歴史的学知の変容  王寺賢太(京都大)
コラム 北アイルランド紛争と大戦の記憶  酒井朋子(東北学院大)

4 西欧の没落
音楽におけるナショナリズム――ラプソディの歴史と大戦  伊東信宏(大阪大)
『精神の危機』の時代  森本淳生(一橋大)
大戦前後の文化財保存と日本の伝統文化  高木博志(京都大)
コラム アメリカ映画の世紀  石田美紀(新潟大)
コラム 大戦と日本の西洋美術コレクション  高階絵里加(京都大)

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