絵画修復への寄付

東日本大震災への対応

初期仏教の学際的研究

班長 外村 中

シャカの入滅年については、いわゆる北伝をとるべきかいわゆる南伝をとるべきか多くの研究者によって議論が続けられている。本国際研究ミーティングにおいては、シャカの入滅年に関する情報を、アショーカ王の即位年およびカニシュカ王の即位年と相関分析してみると、近年の有力な説がしめすところとは異なる解釈が成立する可能性があるとする発表がなされた。北伝も南伝も実のところはともにアショーカ王の即位年はシャカの入滅後百年(正確には100年が経過した101年目)とする歴史(あるいは本来の情報)にもとづくものらしく、いずれをとっても、シャカの入滅年は共通暦紀元前368年頃になるとする新たな解釈がしめされた。会場には、東アジアを専門とする研究者から、中央アジアさらには南アジアを専門とする研究者までもが集まり、上記解釈に関して学際的な質疑が活発におこなわれ、ドイツ、アメリカ、中国からの研究者も参加した国際的なミーティングとなった。

班員
岡村秀典、船山徹、安岡孝一、稲本泰生、古勝隆一、向井佑介、高井たかね、宮本亮一、王星、安岡素子