班長 小泉 義之
今日おおよそコーパスが確定されつつあるミシェル・フーコー(1926-84)の膨大な仕事の中核には、西洋近代に淵源する「人文科学」の歴史的批判の試みが置かれている。実証研究の再読と哲学的考察を交差させ、狭義の認識論に還元されない政治的・実践的な射程をもつフーコーの仕事は、現在もなお世界の人文・社会系諸学において避けて通れない参照項であり、その重要性はますます高まりつつある。だが、フーコーを方法論として応用しようとする試みや、それぞれの分野でフーコーを継承もしくは批判しようとする取組みのなかでは、フーコー自身の仕事の変遷や内的一貫性が顧慮されることは必ずしも多くない。また、フーコー自身の仕事を対象とする研究はもっぱら哲学史や思想史の領域で行われ、フーコー自身が再検討の対象とした「人文科学」諸分野の動態にまで遡ってフーコーの仕事の意義を究明する研究は稀にとどまっている。本共同研究は、「人文科学」諸分野の第一線の研究者を結集し、フーコーの仕事総体の意義を現在の「人文科学」研究者の観点から多角的に明らかにするとともに、フーコーによる「人文科学」批判の歴史的価値と現時点でのその可能性を見きわめることをめざす。
| 氏名 | 所属 |
| 小泉義之 | 立命館大学 |
| 市田良彦 | 神戸大学 |
| 長原豊 | 法政大学 |
| 上田和彦 | 関西学院大学 |
| 布施哲 | 名古屋大学 |
| 佐藤嘉幸 | 筑波大学 |
| 廣瀬純 | 龍谷大学 |
| 隠岐さや香 | 名古屋大学 |
| 前川真行 | 大阪府立大学 |
| 北垣徹 | 西南学院大学 |
| 中井亜佐子 | 一橋大学 |
| 千葉雅也 | 立命館大学 |
| 松本潤一郎 | 就実大学 |
| 西迫大祐 | 沖縄国際大学 |
| 相澤伸代 | 東京経済大学 |
| 藤田公二郎 | 西南学院大学 |
| 櫻田和也 | 大阪市立大学 |
| 箱田徹 | 天理大学 |
| 上尾真道 | 滋賀大学 |
| 堀尾耕一 | 一橋大学 |
| 春木奈美子 | 龍谷大学 |
| 久保田泰考 | 滋賀大学 |
| 坂本尚志 | 京都薬科大学 |
| 氏名 | 所属 |
| 田中祐理子 | 京都大学白眉センター |
| 武田宙也 | 京都大学大学院人間・環境学研究科 |
| TAJAN, Nicolas | 国際高等教育院 |
| 氏名 | 所属 |
| 立木康介 | 副班長 |
| 佐藤淳二 | |
| 王寺賢太 | |
| 森本淳生 | |
| 瀬戸口明久 | |
| 藤井俊之 |