班長 山室 信一・小関 隆
本研究班は「第一次世界大戦の総合的研究」(2007~2015年)の成果を引き継ぎ、それをより大きな現代史 / 20世紀史の文脈で検討することを目的とする。「一体化した現代世界」をつくりだした「現代の起点」たる第一次大戦によって惹起された諸問題のあるものは克服され、あるものは100年後の今日まで残存し、またあるものはその相貌を変えた。本研究班が検討の遡上に載せる具体的なテーマとして想定されるのは、デモクラシーの変容、グローバリズムとローカリズム / ナショナリズムの相克、パラミリタリ暴力とテロリズムの台頭、プロパガンダと大量消費社会のかかわり、テクノロジーの暴走、モダニズムの命運、等である。「近代」と「現代」の連続性と非連続性、あるいは両者の地域的な相違も重要なテーマとなりうる。また、「人文学の視点から」というサブタイトルが含意するのは、第一次大戦によって「ヨーロッパ諸学の危機」(フッサール)がもたらされた状況を受け、今日の人文学は現代 / 世界に対して何をいいうるのか、という存在論的な問いである。
班員 大浦康介、田中雅一、岩城卓二、岡田暁生、石川禎浩、石井美保、伊藤順二、 高階絵里加、立木康介、王寺賢太、藤原辰史、瀬戸口明久、村上衛、ホルカ,イリナ、 小川佐和子、小野容照、藤井俊之、武上真理子、森川裕貫、小石かつら |