絵画修復への寄付

東日本大震災への対応

東アジア伝統医療文化の多角的考察

班長 大形  徹

 東アジアの伝統医療は、鍼術、灸法、按摩マッサージ、骨接ぎの諸技法、方剤調合を中心とする薬物療法を中心として大いに発展し、道教、仏教、陰陽道における宗教的な呪法、内丹、瞑想等の身体技法、あるいは世俗に流行した長寿達成の養生術、丹薬、年中行事に組み込まれていく民間信仰等々と相互連環することで特有の文化複合体を構築してきた。そこで、伝統医療文化を総合的に研究するためのフレームワークとして、医学史家だけではなく、現代医薬学の専門家や臨床医、鍼灸師と思想、宗教、科学の諸分野で文献研究を推進する研究者を一堂に集めて、文理横断的な視点から多角的、複眼的な考察を繰り広げ、医療文化の総体に構造的把握を試み、理論的特質や可能性を探る。そして、日中韓三国の伝統医学や医学史研究の現状を踏まえて、統合医療、チーム医療といった今日的な動向のなかで鍼灸医術や漢方薬研究が歩むべき道を討議し、伝統医学の立場から医療文化の未来像を提言する。

班員
武田時昌(副)、ビル・マック、髙井たかね