藤原辰史の研究室

イベントのご案内

ガザ支援の現状と課題 「パレスチナ子どものキャンペーン」の活動より

ガザでは、2023年10月7日より2年以上、未曽有の人道危機が続いています。2025年10月10日には、ようやく停戦合意が成立しましたが、停戦後も、度々イスラエル軍による爆撃や銃撃が各地で報告されており、停戦後の死者数は492人、2023年10月7日以降の死者数は71,600人、負傷者は171,300人を超えています。現在、イスラエル軍が新しい境界線として設定した「イエローライン」によって分断された地域にはガザの住民の立ち入りが禁止され、その面積はガザ地区の約60%に達しています。ガザ地区の住民は狭い地域に押し込められたまま、破壊されたインフラ、瓦礫となった街で、水、食料、医療などの基本的サービスへのアクセスも極端に制限され、過酷な避難生活を余儀なくされています。また、厳しい冬の気候の中、暴風雨による洪水や浸水により、多数の避難民が深刻な被害を受けており、停戦合意後も人道状況は厳しさを極めています。  いま、ガザの人々はどういった状況におかれているのか。ガザでの支援はどうなっているのか、そして、どのような課題があるのか。私たちには何ができるのか。
ガザでの戦闘開始直後より、現地での緊急支援を継続してきた特定非営利活動法人「パレスチナ子どものキャンペーン」の、エルサレム事務所駐在員である柴谷朱音さんにお話を伺います。ぜひご参加ください。
 
2026年2月21日(土)14:00〜16:30
京都大学大学院人間・環境学研究科 地下大講義室
https://www.h.kyoto-u.ac.jp/access/
 
講師:柴谷朱音(しばたに あかね)
特定非営利活動法人「パレスチナ子どものキャンペーン」(https://ccp-ngo.jp/)エルサレム事務所駐在員。プログラムオフィサーとして、ガザ緊急支援を担当。2020年、京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程(文化人類学)修了後、民間企業勤務を経て、2023年4月より現職。
 
コメント:藤原辰史
京都大学人文科学研究所教授・歴史学者。『食権力の現代史: ナチス「飢餓計画」とその水脈』(人文書院)、『生類の思想: 体液をめぐって』(かたばみ書院)、『中学生から知りたいパレスチナのこと』(共著、ミシマ社)など、著書多数。
 
コメント・活動紹介:齋藤ゆずか
パレスチナ問題について学び発信する団体「SHIRORU」(しろる)元代表。京都大学大学院文学研究科博士前期課程(現代史学)。共著に駒込武編『台湾と沖縄 帝国の狭間からの問い――「台湾有事」論の地平を越えて』(みすず書房、2024)。
 
司会:石井美保  京都大学人文科学研究所教授・文化人類学者。

 

〈研究概要〉
専門は歴史学、とくに農業史と環境史です。20世紀の食と農の歴史や思想について研究をしています。これまで、戦争、技術、飢餓、ナチズム、給食などについて考えてきました。

分析概念として「分解」(ものを壊して、属性をはぎとり、別の構成要素に変えていくこと)と「縁食」(孤食ほど孤立してなく、共食ほど強い結びつきのない食の形態)を用いて、自然界と人間界とを同時に叙述する歴史の方法を考えています。

〈プロフィール〉
藤原辰史(FUJIHARA Tatsushi)
1976年、北海道旭川市生まれ、島根県横田町(現奥出雲町)出身。1995年、島根県立横田高校卒業。1999年、京都大学総合人間学部卒業。2002年、京都大学人間・環境学研究科中退、同年、京都大学人文科学研究所助手(2002.11-2009.5)、東京大学農学生命科学研究科講師(2009.6-2013.3)、京都大学人文科学研究所准教授(2009.4-2025.3)を経て、現在、京都大学人文科学研究所教授。博士(人間・環境学)。2019年2月には、第15回日本学術振興会賞受賞。




〈単著〉
『ナチス・ドイツの有機農業ーー「自然との共生」が生んだ「民族の絶滅」』(柏書房、2005年、第1回日本ドイツ学会奨励賞)
『カブラの冬ーー第一次世界大戦期の飢饉と民衆』(人文書院、2011年)
『稲の大東亜共栄圏ーー帝国日本の<緑の革命>』(吉川弘文館、2012年)
『ナチスのキッチンーー「食べること」の環境史』(水声社→決定版=共和国、2012年→2016年、第1回河合隼雄学芸賞)
『食べること考えること』(共和国、2014年)
『トラクターの世界史ーー人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち』(中公新書、2017年、韓国語版=2018年)
『戦争と農業』(インターナショナル新書、2017年、韓国語版=2020年)
『給食の歴史』(岩波新書、2018年、第10回辻静雄食文化賞)
『食べるとはどういうことか』(農文協、2019年)
『分解の哲学ーー腐敗と発酵をめぐる思考』(青土社、2019年、第41回 サントリー学芸賞。韓国語版=2022年)
『縁食論ーー孤食と共食のあいだ』(ミシマ社、2019年)
『農の原理の史的研究ーー「農学栄えて農業亡ぶ」再考』(創元社、2020年)
『歴史の屑拾い』(講談社、2022年)
『植物考』(生きのびるブックス、2022年)
『これからの日本で生きる経験』(SURE、2023年)
『たくさんのふしぎ 食べる』(福音館書店、2023年。絵=スケラッコ)
『食権力の現代史ーーナチス「飢餓計画」とその水脈』(人文書院、2025年)
『生類の思想——体液をめぐって』(かたばみ書房、2025年)

〈編著・共編〉
『現代の起点 第一次世界大戦 全四巻』(岩波書店、2014年。山室信一、岡田暁生、小関隆と共編)
『第一次世界大戦を考える』(共和国、2016年)
『歴史書の愉悦』(ナカニシヤ出版、2019年)
『われわれはどんな「世界」を生きているのか——来るべき人文学のために』(ナカニシヤ出版、2019年。山室信一、岡田暁生、小関隆と共編)
『環世界の人文学——生と創造の探究』(人文書院、2021年。石井美保、岩城卓二、田中祐理子との共編)
Handbook of Environmental History in Japan(Amsterdam University Press / MHM Limited, 2022)
『疫病の人文学——あらがい、書きとめ、待ちうける』(岩波書店、2025年。香西豊子との共編)

〈共著〉
『食の共同体——動員から胃袋へ』(ナカニシヤ出版、2008年。池上甲一、岩崎正弥、原山浩介との共著)
『言葉をもみほぐす』(岩波書店、2021年。赤坂憲雄と共著。写真=新井卓)
『ポストコロナの生命哲学』(集英社新書、2021年。福岡伸一、伊藤亜紗と共著)
『「自由」の危機——息苦しさの正体』(集英社新書、2021年。25名との共著)
『中学生から知りたい ウクライナのこと』(ミシマ社、2022年。小山哲との共著)
『中学生から知りたい パレスチナのこと』(ミシマ社、2024年。岡真理、小山哲との共著)
『青い星、此処で僕らは何をしようか』(ミシマ社、2024年。後藤正文との共著)
『学ぶとは——数学と歴史学の対話(ミシマ社、2025年。伊原康隆との共著)

以上は、藤原の書いたものの一部です。包括的かつ最新の「書いたもの」の情報は、リサーチマップに記されています。「書籍等出版物」のタブには、単著や共著などの書籍、「論文」のタブには学術論文、「MISC」のタブには、miscellaneous(=種々雑多な)文章、「講演・口頭発表等」のタブにはこれまで話してきたことの情報がほぼ一週間に一度のペースで更新されており、いくつかの文章は自由にダウンロードできます。

〈著作の正誤表〉
私の粗忽と無知の記録です(常時更新中)。
こちらに記されています。

〈単著の書影〉