京都大学東南アジア研究センターの白石隆教授を代表とするCOE拠点形成プロジェクト『アジア・アフリカにおける地域編成』が1998年度から始まりました。ここではそのプロジェクトの支援を受けている研究会や会議についてお知らせします。
インド体験が非インド出身の思想家、研究者、芸術家などの業績・作品にどのような影響を与えたのか、を考察する。具体的には各自が特定の専門分野あるいは非インド系の研究者・芸術家などもを選びその学の形成、作品の創造とインド体験との関係について、事実関係や推察される影響関係について議論を行う。宗教学者エリアーデにとってのインド滞在とはなんだったのか?宗教学者オットーにとってインド旅行とはどんな意味を持っていたのか?など。
これは1と対になる研究会として位置づける。1が非インド人のインド体験であるのに対し、こちらはインドを離れたインド人にとってインドとか欧米での生活がその思想形成や作品作成過程においてどのような影響を与えているのかを探る。
田中雅一(世話人)、応地教授、田辺助教授(以上アジア・アフリカ地域研究科)、井狩教授、藤井助教授、小牧助手(以上人文研)、木村教授(法学研究科)、徳永教授(文学研究科)
- 第一回 1999年1月26日15:30 京大人文研
田中雅一 問題提起
富澤かな(東京大学大学院) 「インド学のはじまり−−ウィリアム・ジョーンズのインド論」第1回の会合は、私の簡単な趣旨説明の後、東大の富澤さんを招いてお話ししていただきました。ブリコルールとしてのジョーンズの知られざる一面が明らかにされ、大変刺激的な報告でした。その夜の懇親会。隣には僧侶が4人袈裟を着て刺身を肴に酒を飲み交わし、背後にはやはり4名の老人がヴァイアグラの話で盛り上がっているというかなり世紀末的な風景に出くわしました。
- 第2回 3月9日 15:30 京大人文研
前田毅(鹿児島大学)「宗教学者オットー−−インドへの助走」
『聖なるもの』の著者で宗教学の祖の一人でもあるドイツ人オットーがインドでどう変わることになったのか、前田先生にお話ししていただきました。- 第3回 12月14日 15:30 京大人文研
奥山倫明(南山大学)「エリアーデにおけるインド体験の意義」
エリアーデの自伝的小説『マイトレーヤ』に基づく映画『ベンガルの夜』の紹介を含む、たいへん示唆に富む報告でした。- 第4回 2000年2月22日 15:00 京大人文研
藤井毅(東京外国語大学)「時代の容貌、歴史と個人 - Verrier Elwin(1902-64)とインド」エルウィンの世界と藤井先生の世界を両方一度に堪能することのできたお得な研究会だったと思います。- 第5回 2001年3月2日(金)14:00 京大人文研
金谷美和(京都大学)「インドにおける"handicrafts"の発見とクマーラスワーミー」- 第6回 3月18日(日)1330 民博
粟屋利江「白人女性の責務:インド支配とイギリス人女性をめぐる研究動向」