李 英美 助教 – Assistant Professor RI, Yongmi

李 英美 助教 – Assistant Professor RI, Yongmi

出入国管理の社会史研究

本研究の目的は、出入国管理史を人びとの諸実践の歴史としてとらえなおし、戦後日本の人びとの移動や帰属、アイデンティティをめぐって生成する「境界」の歴史を描くことである。
とくに、管理の現場や実務実践に焦点を当て、他者を分かつ法の運用や解釈、価値判断がどのようにして生まれ、その秩序が形作られてきたのかを、人びとの交渉や合意、拒絶や抵抗などの営みとの関係性のなかで探求したい。
その過程に、居住と生存の観点から、移動の管理がもたらす「住まう」ことの意味や経験の変容、地域社会の再編について考察したい。それにより、現代の出入国管理体制の形成を歴史的に跡づけることを目指したい。