菊地 暁 助教 – Assistant Professor KIKUCHI, Akira

菊地 暁

■ 学位
文学博士(大阪大学)
■専門分野
日本民俗学
■研究テーマ
近代日本における民俗誌的実践の総合的研究
■主たる講義科目
民俗学(全学共通教育科目)

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近代日本民俗誌システムの研究

本研究の目的は、近年、人文社会科学で広く議論されるに至った「表象」の問題 を、日本民俗学の歴史的展開に即して具体的に検証し、民俗誌(ethnography)という表象技法の問題と可能性を探ることにある。日本民俗学は、これまで次のような ものとして了解され自明化されてきた。すなわち、客観的な学的方法を修得した民俗学者が、日本各地に伝承される前近代的な「民俗」を調査、分析、記述する、と いったものとしてである。本研究は、このような「民俗学」観の転倒を企図してい る。近代化の過程で形成された「民俗」への視線が、それ自体が既に近代化の産物 である「民俗」を記述する営みとして、「民俗学」を再定義したい。そのような「 民俗学」の形成には、学知の成立、法制度の整備、交通やメディアの発達など、さ まざまな要素が重層的に介在する。この「民俗」表象をめぐる一連のシステムを「 近代日本民俗誌システム」として概念化し、「民俗学」という歴史的運動を立体的 に再考する。そのことによって、従来没交渉に展開されてきた感のある言説分析的 な民俗学批判と、経験科学的な民俗学批判とを、同時に考え得る複合的な視座を提供し、「近代日本」を考察する新たな視点を開示する。