人類史上最初の総力戦は、戦場で戦う兵士だけでなく、銃後の人々もまた戦争の当事者になることを意味した。兵士の経験や、市民社会の戦争協力の諸相を探り、大戦の総体性を考察する。
1 総説
戦争を生きる 藤原辰史(京都大)
2 兵士と戦場
西部戦線のアイルランド・ナショナリスト 小関 隆(京都大)
チェコスロヴァキア軍団――未来の祖国に動員された移民と捕虜 林 忠行(京都女子大)
収容所を生きる 大津留厚(神戸大)
コラム 観戦武官たちの戦場経験 片山杜秀(慶応大)
コラム 日赤救護看護婦 荒木映子(大阪市立大学名誉教授)
3 戦争を支える社会
戦債と社会 坂本優一郎(大阪経済大)
善意の動員――イギリスにおける戦争チャリティ 金澤周作(京都大)
銃後における健康と医療 服部 伸(同志社大)
こころの動員――包摂装置としての戦争精神医学 上尾真道(京都大研究員)
コラム オーストラリアとカナダにおける徴兵制論争 津田博司(筑波大)
コラム 戦争文化を生きる子どもたち 久保昭博(関西学院大)
4 女性の戦争
女性であること、兵士であること 林田敏子(摂南大)
食糧生産を支える女性たち 藤原辰史(京都大)
コラム ロシアの女性兵士 伊藤順二(京都大)
コラム 寡婦の戦争 北村陽子(愛知工業大)
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