軍事環境問題の研究 -- A Transdisciplinary Study of the Environmental Impact of Military Activities

Fieldwork

ベトナム

2013年11月(康)

2013.11.14-2013.11.22にかけて、枯葉剤被害者の実態調査のため、ベトナム社会主義共和国に訪問した。本調査の第一目的は、ドンナイ省ビエンホア市を訪ねることであった。ビエンホア市内には、旧ビエンホア米空軍基地があり、そこに貯蔵されていた枯葉剤が近隣の河川や土壌に流れこんだことが原因とされるダイオキシンホットスポットがある。今回は、ドンナイ省にある枯葉剤被害者支援団体(Vietnam Association for Victims of Agent Orange/Dioxin)ドンナイ支部を訪問し話を聞いた。

2013年7月より、米政府主導で基地内のダイオキシン除去作業がはじまった。旧米軍基地一帯は、ベトナム軍によってゲートがつくられ管理され立ち入りができなくなっているが、除去作業の進捗状況をVAVAが把握しており、逐一、住民に伝えている。また、いまだにダイオキシンにさらされながら生活を余儀なくされている住民に対し、VAVAは具体的なダイオキシン対策に関するパンフレットを配布している。住民は、パンフレットに基づいて自主的な勉強会を去年より始めている。

ビエンホア以外には、ハノイ、ダナン、フエ、ホーチミンの4都市を周り、各都市の軍事博物館や、戦争証跡資料館、VAVAの支部や、 遺伝子カウンセリングを行っているフエ医科大学、リハビリ施設などを訪問した。 (文責:康陽求)