1918年11月に終結したとされる大戦は、多くの根底的な変化をもたらすとともに、「未完の戦争」として「次なる戦争」を用意した。断絶と継続の相が交錯する中で現代世界の枠組みは構築された。

1. 総説
未完の戦争  小関 隆(京都大)

2. 暴力の連鎖
「自決」と報復――アイルランド独立戦争  小関 隆(京都大)
革命・義勇軍・ナチズムのはざまで  藤原辰史(京都大)
世界認識の転換と文化戦争  山室信一(京都大)
コラム 公衆の幻影――リップマンと民主政への疑念  富永茂樹(京都大)

3. 「戦後」の模索
帝国崩壊と東中欧の民族的再編の行方  野村真理(金沢大)
大戦間期イギリスから見た国際連盟と平和主義  津田博司(筑波大)
ユダヤ移民とパレスチナ問題  向井直己(京都大研究員)
コラム アルザスと国境  中本真生子(立命館大)

4. 現代の胎動
ヨーロッパ統合へ向けて  遠藤 乾(北海道大)
帝国ソ連の出現  伊藤順二(京都大)
「アメリカの世紀」の始動  中野耕太郎(大阪大)
コラム 「中欧」の夢  板橋拓己(成蹊大)

◎ おわりに(シリーズ総括)
世界性・総体性・持続性をめぐって――振り返る明日へ
編集委員〔文責:山室信一(京都大)〕

※ 人名索引(シリーズ全体)

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