共同研究:課題公募班(一般A班)
「日本のアジア主義」再考班長:松浦 正孝(立教大学)
東アジア共同体構想は、1990年代のASEAN台頭を背景としてこれに日中韓三か国が加わる形で成長した。 この間、戦後のアジア主義については保城広至『アジア地域主義外交の行方:1952-1966』(木鐸社、2008)のような画期的研究があり、戦前については拙著『「大東亜戦争」はなぜ起きたのか』(ミネルヴァ書房、2010)や拙編著『アジア主義は何を語るのか』(同、2013)も含めて、「アジア主義」研究は大きく進んだ。 しかし2012年に噴出した日韓・日中対立と共に東アジア共同体の機運は急速に萎み、その後の米中対立やロシアによるウクライナ侵攻、北朝鮮によるミサイル発射などと共に「新冷戦」が叫ばれる今日、「アジア主義」の再生を現実の世界で夢みる者はなく、その研究も下火になりつつある。
しかしこうした今だからこそ、日本の「アジア主義」についてこの間蓄積されてきた研究を整理した上で、新たな論点を加えてその概念や分析枠組を再検討し、多様な可能性を持つ「アジア主義」概念の再構築を図ることが、本研究の目的である。
研究期間:2024年4月 ~ 2027年3月
班員(学外)
松浦 正孝[班長](立教大学法学部)
班員(所内)
福家 崇洋[副班長]
小堀 聡
石川 禎浩
村上 衛
2024年08月01日 更新