共同研究:基盤研究班(C班)
東アジア伝統科学における自然と人間班長:平岡 隆二
本研究は、前近代の東アジア世界における自然理解と、人間社会によるその利用のあり方について、多角的に考究することを目的とする。
近年の科学史研究では、かつては主流であった科学理論や技術革新の発展史から、社会・思想との相互作用を考察する科学の社会史や思想史、さらには比較科学論へと力点が移行し、多元的なアプローチが必要になっている。 本研究では、そうした歴史叙述の大きな見直しに、それぞれの専門から新しい論点や問題を提起することで、東アジア伝統科学の知的体系の解明を進めるとともに、その新しい歴史叙述のあり方にまつわる議論を深化させる。
それとあわせて、「仏教天文学説の起源と変容」班(2021〜2023年度)などの先行研究班で行ってきた、円通『仏国暦象編』をはじめとする科学史原典史料の会読を継続的に実施し、将来の訳注刊行に向けた準備を進める。 それらの作業を通じて、日本における東アジア伝統科学研究の成果を国内外に発信していく。
研究期間:2024年4月 ~ 2027年3月
班員(所内)
平岡 隆二[班長]
瀬戸口 明久
藤原 辰史
髙井 たかね
宮 紀子
2024年08月01日 更新