京都大学人文科学研究所

インドにおける「循環的存在論」の形成

共同研究:課題公募班(一般A班)

インドにおける「循環的存在論」の形成
 ——祭祀思想から哲学への発展を中心に班長:手嶋 英貴(龍谷大学)

 紀元前以来、インドでは「人間などの個体存在が死と再生を繰り返す」あるいは「世界が消滅と再生を繰り返す」といった存在理解の方法が発展してきた。 とくにインドの「人間観」を代表するものとして、業の理論と結びついた輪廻説がつとに知られ、またインドの「世界観」を代表するものとして世界の反復的な生滅を説くユガ説が有名である。 これに類する存在理解の方法はインド発祥の諸宗教の間に広く流布し、ヒンドゥー教や仏教の伝播によってインド以東のアジア地域にも大きな文化的影響を及ぼした。 そうしたインドに特有の人間観や世界観の基礎には、存在の様態を「循環的なイメージ」で捉えようとする共通の思考様式がみられる。 しかし従来の学界では人間観と世界観とを個別に研究することが多く、それらの共通基盤に目を向けることが少なかった。

 本研究はこの共通基盤的思考を「循環的存在論」と名づけ、その発生・展開のプロセスを明らかにしようとするものである。

研究期間:2022年4月 ~ 2025年3月

班員(学外)

手嶋 英貴[班長](龍谷大学 法学部)

班員(所内)

岩城 卓二[副班長]

2024年08月01日 更新

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