京都大学人文科学研究所

研究者・活動について
20世紀中国史の資料的復元

共同研究

20世紀中国史の資料的復元班長:石川 禎浩

 中国における近現代史の叙述は、領域によって程度の差はあるものの、イデオロギー型革命政党によって統制され、方向付けられてきた。 かれらは党派ごとに自己中心的、あるいは独善的解釈による歴史像を持つだけでなく、そうした歴史像を支えるべく、歴史資料の収集やその編纂、刊行にも力を入れてきた。 ただし、そのさいに資料はしばしばその歴史像に符合するよう編纂(改竄を含む)されてきたため、政治史にせよ、思想史にせよ、あるいは文学史にせよ、既存の公刊史料に基づく限り、研究者はどうしてもその枠組みから脱却できないという隘路に行き着いてしまう。

それゆえ、近代の中国がどのようなものであったのかを知るためには、まず基本的な史料を編纂状態以前にもどすという気の遠くなる作業から始めなければならない。

 本研究班は、20世紀の中国の政治、運動、文学、芸術といった領域で、それぞれ根本資料と見なされてきた基本文献に関して、その生成や編纂、刊行の経過を洗い直したうえで本来の姿にもどし、それによって中国20世紀史全般を復元し、再構築することを目指す。

研究期間:2019年4月 ~ 2024年3月

班員(所内)

石川 禎浩[班長]、 都留 俊太郎、 福家 崇洋、 村上 衛、 呉 孟晋

2023年07月11日 更新

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