京都大学人文科学研究所

研究者・活動について
モノ・知識・環境

共同研究

モノ・知識・環境班長:瀬戸口 明久

 本研究では、知識をつくるモノについて考えてみたい。知識とは、人間の脳のなかでのみ生じてくるものではない。 人間は手をつかって対象に触れ、操作し、加工することで知識を生み出してきた。 現代社会における知識は、きわめて複雑な機械によって生み出されている。 自然についての知識は、実験装置や実験生物、標本などによって日々、生産されつづけている。 社会についての知識は、紙やコンピュータにデータとして書き込まれることで膨大に蓄積されてきた。 これらのモノと知識のネットワークは、私たちが生きる世界の秩序と構造をつくるテクノロジーとして作動している。 つまり現代においてモノは、人間をつつみこむ環境になっているのである。 そこでモノは、どのようにして、いかなる環境を生み出しているのだろうか。 そして増殖するモノのなかで、人間はどのような存在になっているのだろうか。

 本研究では、人文学の多様なアプローチをもとに、自然科学、工学、社会科学の知識について検討し、人文学そのものについても自己言及的に考察を深めたい。

研究期間:2020年4月 ~ 2023年3月

班員(所内)

瀬戸口 明久[班長]、 クナウト,ティル、 小堀 聡、 平岡 隆二、 藤原 辰史、 岡澤 康浩、 都留 俊太郎

2023年07月11日 更新

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