菅原 百合絵 准教授 – Associate Professor SUGAWARA, Yurie
菅原 百合絵 准教授 – Associate Professor SUGAWARA, Yurie
- 学位
- 博士[学術](パリ・シテ大学:旧パリ第7大学)
- 専門分野
- フランス文学・哲学
- 研究テーマ
- アンシャン・レジーム期フランスにおける自己・感覚・真理
アンシャン・レジーム期フランスにおける自己・感覚・真理
「自己」という概念は決して自明なものではなく、近代哲学によって彫琢されてきたものである。 19世紀になってロマン主義文学が「自己」の内面性とその表象を特権化するのに先駆けて、ジャン=ジャック・ルソーは近代的自伝の嚆矢『告白』のなかで、自分の「感じる」ことを読者に「真理」として伝えようと努めていた。 本来伝達不可能な〈わたし〉の感覚・感情を、自伝を含めた文学作品はいかに描き出し、読者を説得しようとするのか。 絶対的で普遍的な「真理」と、自分が心のなかで感じる「真実」は、どのような関係を持っているのか。 哲学が彫琢した自己概念を、文学はどのように引き受け、展開するのか。 本研究では、近代フランスの哲学・文学テクストの読解を通じて、以上のような問いに答えることを目指す。